3大会連続出場の南北優勝校が初戦で散った。南北海道代表の札幌山の手は鹿児島実(鹿児島)に14-19で逆転負けし、16年度大会以来の初戦敗退を喫した。

北北海道代表の旭川龍谷は山形中央(山形)に0-15で敗れ、79年度大会以来41大会ぶりの白星を挙げられなかった。前日27日に敗れた函館ラサールを含め、道勢3校が第100回の記念大会を飾れなかった。

   ◇   ◇   ◇

残り3分。札幌山の手のSO木津谷勇輝主将(3年)はベンチにいた。「仲間を信じて試合を見守った」。5点を追う後半22分に相手との接触プレーで右足を痛めて途中交代。例年より5分短い25分ハーフの1回戦で47分しか司令塔の役割を果たせなかった。「情けなさ」を感じた胸の痛みは、骨折の可能性のある右足首よりも大きかった。5点差の惜敗を静かに迎えた。

「自分たちがやりたいアタックからのつなぎができた」。先制トライを許した直後の前半13分、敵陣22メートル付近からパスをつないで中央にトライ。勢いづいた8分後にはプロップ広部竜成(3年)が相手を振り切ってトライを決めた。

ミスで流れを失った。FW戦では優勢も好機で追加点を挙げられずに後半4分、14分に守備の甘さを相手BKにつかれて連続トライで逆転された。佐藤幹夫監督(59)は「取れるところで取れないと」。試合終了間際に再びトライのチャンスをつくるもノックオンでノーサイド。16年度大会以来の初戦敗退を喫した。

コロナ禍で全体練習が制限され、大会直前にラグビー部員ではないが同校でコロナ陽性者が確認された。同監督は「ここまで来れただけでも良かった。あいつらなりに頑張った学年なんで」。高校卒業後はOBで19年W杯日本代表リーチ・マイケル主将(32)と同じ東海大に進む木津谷は「花園に出た2年生を中心に新チームで頑張って欲しい」。2回戦を突破しての年越しの夢は後輩に託された。【浅水友輝】

▽札幌山の手の次期主将候補、WTB吉田慎吾(2年) 必ず戻ってくる。花園で1勝して、3年生ができなかったシード校に挑戦したい。

高校ラグビー全成績はこちら―>

高校ラグビー組み合わせはこちら―>