女子は秋田北が宿敵・秋田商との県勢決勝で逆転勝ちし、10年ぶり7度目の東北女王に輝いた。優勝の懸かった大将戦は、佐藤悠月(1年)の一振りで決着。全国選抜(3月27日開幕、愛知・春日井市総合体育館)出場を懸けた1月末の県決勝で敗れた悔しさを再戦で晴らし、夏に開催される高校2大タイトル(玉竜旗、全国総体)へ弾みをつけた。男子は仙台育英(宮城)が4年ぶり2度目の優勝を飾った。

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秋田北の1年生大将が逆境をはね返した。佐藤は1-1で迎えた大一番を託された。本数は1-2と引き分けも許されない状況から、メンを先取されて後がなくなっても、「さらにスイッチが入った」と奮い立った。果敢に攻め込み、起死回生のメンを奪い返して同点に。さらに試合終了間際にもメンを奪い、劇的な逆転勝利を呼び込んだ。「試合前に(加藤)監督から『絶対勝つ気でいけ』って言われていた。自分がチームに負けをつけるわけにはいかなかった」と、大将の責務を果たした。

限られた中で結果を残す。コロナ禍の影響で他県への遠征は自粛ムード。学校も週3日は7時間授業と放課後の練習時間が少ない。そのため、稽古の質を高めた。竹刀の一振り一振りに集中。佐藤は「短い時間でも濃い稽古にする。結果につながったと思う」と初々しく振り返った。

チーム目標「全国8強」を掲げる。県準優勝に終わり、3月の全国選抜には出場はできない。地元開催の魁星旗は延期が決まり、夏開催で地方予選免除の玉竜旗と高校総体を見据える。佐藤は「万全な状態で臨みたい。自分は1年生だけど、先輩ばかりに任せないで、引っ張っていく気持ちで頑張りたい」と言葉に力を込めた。【佐藤究】