日本生命がフルゲームの熱戦で神奈川を下し、3連覇を成し遂げた。

第4試合では神奈川がマッチポイントを握る展開から平野美宇が踏ん張り、2-2-で迎えた1ゲーム制の延長戦。日本生命で起用されたのは第3試合で敗戦していた早田ひなだった。相手は勝ち星を許したばかりの木村香純、難しい状況での再戦だった。

「エースの試合ができずに悔しい気持ちあったんですけど、平野選手がつないでくれて、締めるしかないと。負けた気持ちを忘れて、チャレンジャーの気持ちで臨めた」

有観客、722人が固唾(かたず)をのんで見守る大一番。先取点を許して始まったが、試合前に「ひななら大丈夫」「フォアは入るから」と背中を押された言葉を信じて腕を振った。

第3試合が1月の全日本選手権後、久々の試合だった。感覚に苦しみ、「これだけ入らなかったら勝てないよな」。そして、「逆に競ることはできた。チャンスを作ってフォアでいければ負けない」。吹っ切って、気持ちも固めた。

3-3からの3連続得点で流れをつかみ、10ー6から10-10と追い上げられても芯は固いまま。「もうひと踏ん張りと。もう一度気を引き締めて、持ち味のフォアで2点決めることできて良かった」。最後も思い切りいい1打を重ねて、12ー10で勝利をつかんだ。その目には自然と涙が浮かんだ。

MVPも獲得。「中高生も大阪から応援に来てくれている。一緒に練習しているからこそ勝った姿を見せたかった。3連覇できて良かった」。拠点で共に練習を積む後輩たちにも、勝利を届けた。