兄妹で争った頂上決戦は、兄のペアが制して北京五輪出場への道をつないだ。

松村雄太(コンサドーレ)と吉田夕梨花(ロコ・ソラーレ)のコンビが決勝で、妹の松村千秋(中部電力)と谷田康真(コンサドーレ)の前年優勝ペアに10-2で快勝して初優勝。連覇を阻止したことで、自らのペアが北京五輪に出場する可能性を切り開いた。

松村は「予選から最終戦に向けて、チームとして成長できた。最後に一番いい試合をして勝てた」と笑顔。それでも悔し涙を浮かべる千秋とすれ違うと、「妹が泣いているのを見ると心苦しい」。複雑な思いも口にした。

決勝では第2エンドに4点スチールを奪うなど、不利とされる先行で序盤から複数得点を重ね、試合を優位に運んだ。

今後は世界選手権(4月24日~5月1日)で中国をのぞく上位7位以内に入れば、日本としての出場権を獲得。後日、あらためて代表決定戦が行われることになる。松村は「ここで勝った以上、家族やきょうだいがどうというのはまったく別。日本の代表であることを自覚して、しっかり枠を取ることが自分たちの仕事」と話した。

吉田夕も「勝ったからにはしっかり枠取りをしたい。チームとして伸びしろがある。2人で技術面やメンタル面を詰めていきたい」。さらなる成長を誓った。

松村雄は男子4人制でも日本代表となる権利を獲得。吉田夕も、女子4人制で北京五輪代表となる可能性を持っている。

初優勝した2人のペアは、1次リーグは松村千と谷田のペアに敗れるなどしたが、4勝2敗のC組3位で通過。プレーオフで8強最後の1枠に滑り込むと、準々決勝では前回準優勝の強豪、藤沢五月と山口剛史組を撃破した。この日午前の準決勝では、最終エンドの逆転勝ちでチーム柳沢を7-6で退け決勝へと勝ち上がった。