無差別で藤本偉央(いお、広島・崇徳2年)が初優勝した。

準決勝まで巧みな組み手で圧巻の4試合一本勝ちを収めたが、長浜佑飛(埼玉栄)との決勝では指導差で劣勢に。延長3分25秒に背負い投げに入られたところを「いける」と瞬時に返し、技ありを奪って勝負を決めた。

「決勝は指導差で負けるかと思ったが、最後まで諦めずに押し込めた。途中、『やばい!!』と思って焦ったし、中学から初めての全国大会でガチガチだった」

179センチ、130キロの肉体を誇り、同じ山口県出身で東京五輪100キロ超級代表の原沢久喜(百五銀行)と同73キロ級代表の大野将平(旭化成)を目標とする。「もっと体を大きくしてインターハイも勝って、いずれは(2人のような)世界で勝てる選手になりたい」と青写真を描いた。

成長期でもあり、肉体改造に励む。より筋力を増やすために食事もトレーニングの一環と考え、試合前日の19日夜には「軽め」の豚キムチとどんぶり飯3杯などを平らげた。表彰式後のオンライン取材中には空腹になり、「早く広島に帰って大好きなお好み焼きを食べたいっす」と笑みを浮かべていた。