白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)は57秒77で3年ぶりに優勝した。レースが終わり、タイムを確認した瞬間から声を上げて涙を流した。

400メートルメドレーリレーの代表選考も兼ねており、リレーの五輪派遣標準記録は57秒92。このタイムを切って優勝したことで、メドレーリレーの東京五輪代表に内定した。自ら24年パリ五輪を大目標として目指すと話していた中で、奇跡的な復活を遂げた。代表は、大会後に選考委員会などをへて正式に決まる。

以下、一問一答。

-3年ぶりの優勝。今のお気持ちは

池江 (涙を流しながら)まさか、100で優勝できると思ってなかったですし、5年前の五輪選考会よりも、ずっと自信もなかったし。自分が、勝てるのは、ずっと先のことだと思ってたんですけど、勝つための練習もしっかりやってきましたし、最後は「ただいま」って気持ちで入場してきたので、自分がすごく自信なくても、努力は必ず報われるんだなという風に思いました。

-予選、準決勝、決勝と見事に3本、タイムを上げてきた

池江 予選、準決勝でターンが合わずに改善点が逆にあるな、という風に思っていたので。57秒台は出ると思っていなかったですし、リレーの派遣タイムも切れると思っていなかったので、すごくうれしいです。

-5年前のリオデジャネイロ五輪代表選考会でも涙を流して代表入りを決めた。その時の涙と今回の涙は違うはず。復帰から、ここまでの歩み

池江 正直、この100のバタフライは戻ってくるのに一番、時間がかかると思っていた種目。本当に優勝は狙っていなかったので。でも何番でも、ここにいることに幸せを感じようという風に思っていた。最後も仲間たちが全力で送り出してくれて、今すごく幸せです。

-場内の拍手を聞いてどう思ったか

池江 自分に、その拍手が届いていると思っていなかったので。順位が決まった時はすごくうれしかったですし、本当にもう、言葉にできないです。

-先ほど、自分でも「切れると思っていなかった」というメドレーリレーの派遣標準を切った

池江 さっきも7秒出ると思っていなかった、と言ったんですけど。出ても8秒1とかかなと思っていたので。ホントにうれしいです。

-戻ってきた手応えはあるか

池江 そうですね。ものすごく自信のついたレースでもあったので。派遣は切れたんですけど、代表に入れるかはまだ分からないので。100の自由形も残っていますし、あと3本あるので。気を抜かずに頑張りたい。