パワハラ被害を訴えていた空手の東京オリンピック(五輪)代表の植草歩(28=JAL)が9日、全日本空手道連盟(全空連)の常任理事会と理事会で香川政夫強化委員長の解任などが決議されたことを受けて自身のブログを更新し、「ご尽力により迅速にご対応いただき感謝しております」とつづった。

自身が告発を行った後には、植草を支持する意見以外にも、様々な声が飛び交った。「人それぞれ立場も違えば感じ方も異なるので、空手界の一部で起こっている私への批判等も覚悟の上で精一杯勇気をもって行動しました」と告白した。 大学時代からの恩師にあたる香川氏とは、「ある時から、師範の思い描く道と私が求めていく道が変わっていき、衝突が多くなりました」。立場が異なる指導者と選手では考え方に違いが生じてもおかしくないことにも言及した上で、「その前提として、選手と指導者がお互いを尊重しあえる風通しのいい環境がスポーツには必要だと思います」と力説。「今回の結果がその一歩となることを強く望んでいます」とした。

当事者双方からの聞き取りを行った先月31日の倫理委員会では、帝京大師範でもある香川氏が竹刀を用いた練習を行ったことで、植草が目を負傷したことが事実と認定された。その答申を受け、この日の処分が決まった。