南北海道は、函館ラサールが小樽潮陵を33-10で下し、10年連続で決勝に進出した。5-3の前半25分、昨年9月まで陸上部の走り幅跳び選手だったWTB小松珠生(しゅう、2年)が、右サイドを約60メートル独走。競技歴11カ月で全道大会初トライを決め「ここで得点したら流れが変わると思い必死で走った」と喜んだ。

昨年10月、50メートル6秒1の俊足を買われ転部した。ラグビー仕様のステップを覚えるため、19年ワールドカップ日本代表WTB福岡堅樹氏(29)の動画で研究。「最初は難しかったが役に立てるようになれて良かった」。この日はコンバージョンゴール4本も成功させ、13得点で勝利に貢献した。

25日の決勝は、10年連続同一カードで3連覇中の札幌山の手に挑む。昨年は3-47と完敗したが、記念大会のため第3代表決定戦(対遠軽)で3度目の花園切符をつかんだ。当時、転部間もなくメンバーに入れなかった小松は「南北海道で優勝して全国で足を生かせたら」。今年は例年通り優勝校のみ花園行きが実現する。6年前、札幌山の手の16連覇を阻止した函館の雄が、4年ぶり王座奪還を狙う。【永野高輔】