激闘を制した。男子の一関修紅が不来方をフルセットの末、3-2で下し、3年ぶり13度目の優勝を決めた。エース細川渉夢(3年)が両軍最多の21得点を奪い、自身ラストチャンスで初の春高切符を手にした。女子は盛岡誠桜が一関修紅に3-0でストレート勝ち。2年ぶり26度目の頂点に立った。両校は来年1月5日、東京で開幕する全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)に出場する。

細川が勝敗を決するポイントを挙げた。第5セット(S)のマッチポイント。力を振り絞って真上に跳び上がった。「最後はスパイクでもブロックでも自分が決める意識だった」とブロック。ボールが相手コート内に落ちるのを確認すると、声を張り上げて仲間と勝利を喜んだ。3年連続となった決勝カードでリベンジを果たし「春高は初出場なので、チャレンジャーとしてチーム一丸で戦えたら」と念願の舞台に向けて、気持ちを引き締めた。

流れが傾いても、粘りを見せた。序盤の2Sは時間差などの多彩な攻撃で得点を積み重ねて先取。ストレート勝ちも見えたが、簡単にはいかなかった。以降2Sは修正された高いブロックなどの守備に苦しみ、いずれも僅差で落とした。15点先取の第5Sでは、北條喬介主将(3年)が「攻撃の要で勝負どころは彼に(トスが)上がる」と認めるエースが6得点し、歓喜の瞬間をもたらした。

2大会ぶり出場の全国高校総体は決勝トーナメント2回戦で足利大付(栃木)に1-2で逆転負け。「全国レベルを知れたのは良い経験になった。少しでも弱気なプレーをすると一気にやられるので、常に攻めていきたい」と細川。目標は8強。最初で最後の春高で、真っ赤なユニホーム姿を少しでも長く見せる。【相沢孔志】