バレーボール全日本高校選手権(春高バレー)北海道代表決定戦が11日、野幌総合運動公園総合体育館ほかで開幕する。男子の小樽未来創造は、18年に新設校として開校して以来、初出場となる。卒業後の就職などを決めている3年生部員4人が復帰し、下級生と一丸となり高校最後の大会に臨む。

小樽未来創造が新たな歴史を刻む。18年春に小樽工と小樽商が統合し開校。春高バレーの道大会出場は初となる。2年生主将の浦諒馬は「攻めの意識でいきたい。総体で勝てなかったので、悔しさをこの大会でぶつけていい記憶を残したい」と意気込んだ。

6月の総体地区予選で敗退後、当時の高橋龍ノ介主将ら3年生部員8人は引退し、就職活動に専念した。機械電気システム科の高橋は、電気回路や発電など学んだことを生かし、電気工事を行う道内企業から内定をもらった。1度競技から離れたが「もう1回チャレンジしようかな」と、同じく進路が決まった山本歩夢、阿部匠敏(たくと)、進学予定の佐藤大海(だいな)と3年生4人で大会出場を決めた。練習再開は小樽地区予選の約2週間前。リベロの阿部は「自分は守備の要のポジションなので、みんなでつないで勝てるように」と気持ちを高め、練習を重ねた。

3年前の新設当時は部員4人と人数不足で公式戦に出場できなかった時期もあった。地道な努力が実を結び、地区を勝ち抜いて全道切符をつかんだ。就任4年目の浅岡萌監督(29)は「自分たちでつかんだチャンス。それを大事にしながら挑戦したい」と話した。

今年2月の新人大会で全道1勝。2回戦で強豪東海大札幌に敗れたが、少しずつ経験を積み上げてきた。留萌との1回戦を前に山本は「新人戦は1勝して終わった。次はそれより勝ちたい」と思いを強くする。3年間の集大成をコートで見せつける。【山崎純一】