岸田文雄首相が、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が欧州などで急拡大する状況を踏まえ、外国人の入国を30日午前0時から全世界を対象に禁止すると表明したことを受け、国内のスポーツ団体が対応に追われている。

12月にフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル(9~12日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)の開催を主管予定の日本スケート連盟の関係者は、突然の一報に驚くとともに「現段階で分かっていることは何もない」と語った。関係各所からの情報収集に努めている。

GPファイナルは国際スケート連盟(ISU)主催で、日本連盟が主管。男子の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)宇野昌磨(23=トヨタ自動車)と女子の坂本花織(21=シスメックス)に加え、日本人同士のペアとしては初の出場を三浦璃来(19)木原龍一(29)組(木下グループ)が決めたばかりだった。

海外からは男子の世界選手権3連覇王者ネーサン・チェン(22=米国)や女子の世界記録保持者カミラ・ワリエワ(15=ロシア)ら男子4選手、女子5選手、ペア5組、アイスダンス6組が来日を予定している。【木下淳】

 

◆アスリートなどの入国特例

コロナ禍で厳しい入国制限が行われている中、東京五輪・パラリンピックに向け、昨年11月から一部対象者の入国を条件付きで認めていた。国内で開催される国際大会に出場する日本人及び外国人選手やスタッフ、五輪の強化指定選手、プロ野球、サッカーJリーグの外国人選手らが対象だった。必要な防疫措置を講じた上での入国を認め、入国後14日間の自主待機期間中でも、試合出場などの活動を可能とした。行動範囲も制限され、誓約書や活動計画書の事前提出などが求められた。今回の特例可否は未定。