開志国際が1回戦で消えた。インターハイ4強の福岡大大濠に64-88で完敗した。19年にも初戦2回戦(76-82)で敗れた相手に雪辱できなかった。昨年はコロナ禍で、強制的に3回戦を棄権させられた悔しさも晴らせなかった。

思わぬ大敗で悔し泣きすることさえ忘れた。主将のSG野口竜真(3年)は「頭は真っ白だった」と振り返った。相手の高さに、強さに、速さについていけなかった。タイトなプレスに動きを縛られ、29ターンオーバーで攻撃機会を失った。19スチールを許して逆襲も食らう。「対策はしてきたけど、対策の上をいかれた」と野口。スタメン5人のうち、4人が1、2年生。富樫英樹監督(59)は「下級生の弱さが出たかな」と言った。

コロナ禍の昨年は3回戦をほぼ強制的に棄権させられた。1回戦で対戦したチーム関係者に新型コロナウイルス陽性反応者が出たためだった。濃厚接触者に該当する相手と試合をした開志国際にも陽性反応が出る可能性を考慮されて日本協会から棄権を促された。その悔しさを味わった昨年の3年生ほぼ全員から23日夜、野口にLINEなどで連絡がきた。「悔いのないように楽しめ」という内容だったが、悔いを残した。

2年生のエースのSF介川アンソニー翔は「悔しい思いを忘れないで、来年は優勝する」と言った。赤いユニホームの胸に記したアルファベットは愛称の「RED TIGERS」。富樫監督が62年寅(とら)年生まれ。学校創設の14年に入学した生徒の大半も98年寅年生まれだったことから名付けられた。くしくも来年は寅年。主力の大半が残る来年、赤いトラたちは牙をむく。【涌井幹雄】

 

◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は28日正午からBS朝日でともに生放送。