【モンペリエ(フランス)=松本航】女子SPで北京五輪個人、団体銅メダルの坂本花織(21=シスメックス)が首位発進した。

ジャンプを全て着氷させ、女子世界7人目となるSP80点台。自己ベストの80・32点で初優勝が懸かる25日のフリーに弾みをつけた。

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赤のソファから思わず腰を上げ、目の前のモニターへと迫った。自身初のSP80点台に、坂本は興奮を隠せなかった。「今、フリップとちょっと仲悪い感じ」。前日22日にそう表現した演技後半のフリップ-トーループの連続3回転を降りると、地元ファンの手拍子が背中を押した。五輪銅メダリストは「驚き、喜び、驚き、喜び…みたいに、脳内を駆け巡っていました」と高得点に笑顔を見せた。

海外遠征の経験は豊富だが、今回の渡航は厳しかった。ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、移動便はロシアを迂回(うかい)。途中で給油を挟み、ドイツ経由でフランスのマルセイユに到着した。最後はバスで2時間の移動となり「さすがに最後のバスはきつかった…」。そう漏らしながらも「見たい映画は長い飛行機で3つ見られたので満足」と笑い飛ばした。「マイ・インターン」「ホーム・アローン」「デューン」…。難しい環境下でも、前向きに切り替える強さがある。

中1日で迎えるフリー。ロシア勢不在で優勝候補筆頭に挙げられるが、冷静に誓った。「いい締めくくりができるように、笑顔で終われるようにしたい」。あくまでも挑戦者として、今季の集大成を披露する。