日本勢が上位を独占した。

宇野昌磨(トヨタ自動車)が自己記録の109・63点で首位、鍵山優真(オリエンタルバイオ/星槎)が105・69点で2位、友野一希(セントラルスポーツ)が自己記録の101・12点で3位発進した。

【フィギュア】宇野昌磨1位、鍵山優真2位、友野一希3位発進/世界選手権男子SP詳細ライブ

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両手を合わせ、頭を抱えて笑った。あと1歩の悔しさをかみしめ、鍵山が父の正和コーチへと目を向けた。4回転サルコー、4回転-3回転の連続トーループと美しく降りきった。だが、最後のトリプルアクセル(3回転半)が着氷時にこらえる出来。自己ベストまで2・43点に迫り「4回転が練習より良くてびっくりした。(アクセルは)慎重になった」と振り返った。

18歳らしく、後ろを振り向くことなく走ってきた。1年前の世界選手権で2位に入り、先月の北京五輪でも銀メダル。団体戦でも銅メダルを獲得する充実の時間だったが「(重圧は)あまりないです。世界選手権のことを考えていた」とさらりと言った。大会前に中京大スポーツ科学部の合格通知を受け取り「(家族で関東から)引っ越して、がっつり練習させていただいています」とほほえんだ。

大会3連覇中で五輪金メダルのチェン(米国)、過去2度優勝の羽生結弦(ANA)が不在。日本勢最年少優勝への期待がかかるが「金メダルは今は考えていない。自分の中でやるべきことをやりたい」と力強く言い切った。中1日のフリーで、男子の歴史に名を刻む。