ショートプログラム(SP)で20位と大きく出遅れた三浦佳生(16=オリエンタルバイオ/目黒日大高)が、力を出し尽くして初めてのジュニア世界一決定戦を締めくくった。

フリー137・56点を記録し、合計197・59点。3月に左大腿(だいたい)四頭筋を肉離れし、世界選手権は辞退に追い込まれたが「自分ができるベストを尽くせた。こっちに来た時はすごく痛かったけれど、治療してもらいながら(痛みが)取れてきて、昨日ぐらいから感じなくなったので大丈夫でした」と言い訳はしなかった。

こだわりのフリー「ポエタ」に思いを込めた。冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷させると、続く4回転サルコーもこらえながら降りた。演技前半の4回転トーループは2回転となったが、後半の2本目は着氷。4回転2種3本に挑み、ポテンシャルの高さを示した。

今季は同様にSPで出遅れた全日本ジュニア選手権をフリーでの逆転で制し、北京五輪(オリンピック)の最終選考会だった全日本選手権では代表3人に続く4位。シニアに交じった4大陸選手権では3位と躍進した。

喜びも、悔しさも味わった1年を締めくくり「ショート(SP)でどん底に突き落とされた。やっぱりあの結果は、僕じゃなくても、へこむと思う。こうして対処する、次に向けて気持ちを切り替えるという新たな発見もあった」。ほろ苦い経験を、来季以降に生かしていく。【松本航】