日本代表(世界ランク10位)が、来年のW杯フランス大会に出場するウルグアイ代表(同19位)に圧勝した。

計6トライ(認定1含む)を奪い43-7。5年ぶりにテストマッチで起用されたSO山沢拓也(27=埼玉)が前半9分に約48メートルのPGを決めるなどキックでアピール。司令塔争いが激化した。日本は控えにあたるナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)が出場した第1戦(34○15)に続きウルグアイに2連勝。7月にフランスと2試合を戦う。

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関門海峡を望む会場で、来年のW杯に向けた争いが始まった。日本代表として戦う事実上の今季初戦。前半5分にモールを押し込んでフッカー坂手主将が先制トライを挙げる。見せ場はこの直後に訪れた。同8分、ハーフウエーライン付近。ウルグアイの攻撃を“笑わない男”こと稲垣とリーチ・マイケルの19年W杯コンビで寸断。たまらず相手が反則を犯すとここで得たPGをSO山沢が狙った。

正面右寄り。少し敵陣に入った約48メートルを決める。これで勢いに乗ると前半だけで3PG。後半8分には右から逆サイドのWTBフィフィタへ華麗なキックパス。中学まで本格的にサッカーをしていた“司令塔”が「足」で観衆を魅了した。

「言い訳になるんですけど、アップの時の風と試合の風が違った。ミスを修正できれば、もっといいキックができたと思う。(前回の代表戦は)5年前のことなので、フレッシュな気持ち。毎回、試合に出る気持ちでやり続ける」

SO争いは激化する。19年W杯で主力のSO田村優は現状は“2軍”扱い。NDSの主将として出場した第1戦(18日)は勝利に貢献しながら昇格できず。松田力也は故障で、これまでの中心2人が不在。山沢とともにこの日、デビューした21歳の李承信、中尾隼太らもメンバー入りを狙う。

7月にはフランスと2連戦、秋には欧州遠征を控える。ジェイミー・ジョセフHCは「戦いは満足している。次からは世界のベストと戦える」。19年W杯の8強超えへ。定位置争いが激しさを増せば、日本はもっと強くなる。【益子浩一】

○…プロップ稲垣が後半29分にシンビン(一時退場)を受けた。タックルの際、肩が相手の顔付近に入ったことが危険なプレーと判断された。数的不利の間に唯一のトライを許し、会見では途中出場した堀江が「久々の試合で、1人少ない状況やったから。守備が大変やった」と漏らすと、隣にいた稲垣は「スイマセン」とぼそり。「迷惑かけたので反省します」と頭を下げた。

▽ウルグアイ代表のエステバン・メネセスHC (日本に2連敗も)W杯に向け収穫の多い試合だった。日本はレベルの高いチームで、私たちを手厚くおもてなししてくれた。