昨年の覇者で、4大大会20度の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(35=セルビア)が、2セットダウンのピンチから大逆転で4強に進出した。

世界ランク13位で第10シードのヤニク・シナー(イタリア)に5-7、2-6、6-3、6-2、6-2のフルセットで勝ち、4大会連続でベスト4に進んだ。勝利の瞬間、全身で喜びを表したジョコビッチは「幸せ、愛情、充実感、誇り。すべてをこのコートで感じている」。準決勝では同12位で第9シードのノリー(英国)と対戦する。

第1セット、4-1とリードしながら、シナーに逆転を許し失った。そこからジョコビッチの調子がおかしくなり、第2セットも2-6。大会では、17年準々決勝ベルディハ(チェコ)戦以来の敗戦まで、残り1セットも落とせない崖っぷちに追い込まれた。

しかし、そこから元世界王者が底力を見せた。第3セットを奪い、第4セットも4-0とリードし、流れを引き戻した。最終セットに入れば、ジョコビッチは5セット試合を過去46試合も経験。わずか4試合のシナーとは、その差は明らかだった。

この1勝で、大会の通算勝ち星が84勝となった。68年オープン化(プロ解禁)以降、コナーズ(米国)と並び、フェデラー(スイス)の105勝に次ぐ2番目の多さとなった。

今大会は、主催者であるオールイングランド・ローンテニスクラブ(AELTC)が、ウクライナに侵攻したロシアと、それを支援したベラルーシの選手の出場を認めず。その決定に抗議し、男女のツアーを運営するプロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が、世界ランキングのポイントを大会に付与していない。

 

◆ウィンブルドンテニスは、6月27日から7月10日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドで最大10コートがライブ配信される。