フェンシングの世界選手権は22日、カイロで8日目を迎え、男子エペ団体が史上初の銅メダルに輝いた。昨夏の東京五輪で日本悲願の金メダルを獲得した見延和靖(35=ネクサス)山田優(28=山一商事)加納虹輝(24=JAL)に、新たに加わった松本龍(日大)で参戦。3位決定戦でハンガリーを45-30で破った。

19日の個人戦でエペ初の銀メダルを得た見延を中心に、第5ピリオド(P)を終えて12-12の我慢勝負。そこから第7Pの山田、第8Pの見延、最終9Pのアンカー加納が点を重ねた。

先月は逆風が吹き荒れていた。男女エペの沖縄合宿(6月18~25日)がレジャー中心だったと報じられ、日本協会の武井壮会長は一部宿泊費など不適切部分を謝罪。助成金の申請を全て見送った。一方で内容自体は今大会に向けた心身調整であり「必要だった」としていた。名誉挽回が求められていた中、五輪と並ぶ大会で初の表彰台に立った。

輪になって喜び「個人戦の銀より団体の3位の方がはるかにうれしい。五輪、世界選手権と連続のメダルは、世界に対してもいいアピールになった」と見延。負ければ何を言われるか分からない-。重圧に打ち勝った「エペジーーン」に、笑顔が戻った。【木下淳】