日本社会人アメリカンフットボール協会は17日、深堀理一郎理事長が都内で会見し、来年1月22日の正午から東京・国立競技場で国際親善試合「JAPAN U.S. DREAM BOWL(日米ドリームボウル)」を開催すると発表した。

新設で、従来の「日本代表」ではなく「全日本選抜チーム」を組織し、米国大学選抜チームと対戦する。メンバーは日本トップのXリーグ勢を中心に編成。選手は56人を呼ぶ予定で学生も候補対象に加えた。

さらに、過去に例のなかった試みとして、Xリーグでプレーする外国籍選手も全日本の一員として参戦する。招集は10人以内、同時にフィールドに立てるのはXリーグに準じて2人までとした。

マイクを握った深堀理事長は、日米ドリームボウルの開催意義について「北米への挑戦」「スポーツを通じた国際交流」を挙げた。

「1999年から世界選手権が4年に1回、行われてきたが、米国に勝つことが目標の日本が目指すべき方向性、それをXリーグ内などで議論し、北米への挑戦が年1回、日本で開催されればプラスに、将来の指針になる。来年から毎年開催していきたい。将来的には、米国のさらに強いチームと対戦できる大会に育てていきたい」と報告した。

選手個人に対しては、CFL(カナディアン・フットボール・リーグ)や世界最高峰NFLへの挑戦を支えてきたが「チームに対しても道を作っていきたい」と深堀氏。聖地国立での試合を「世界トップクラスの競技レベルへの挑戦を、他競技のアスリートに見ていただくことによって(興味や転向など)普及、発展につながるのではないか。また、米国の大学選抜にとっては日本の文化に触れる機会となる。彼らとの絆が世界につながっていく。特に将来を担う若い世代が、この国際交流をさまざまな分野に波及していってくれれば。そのためにも1回ではなく続けられるように努力していきたい」と定番化への熱い思いを語った。

全日本選抜は、昨季のライスボウル制覇で富士通フロンティアーズを2年ぶりの日本一に導いた山本洋ヘッドコーチ(HC)が率いる。アシスタントHCにはパナソニックインパルスの荒木延祥HCが就く。

米国大学選抜チームはアイビーリーグ選抜が来日する。選手数は日本と同じ56人の予定で、米国大学登録選手(大学選手の資格を完了した4年生)が対象。数多くNFL選手を輩出してきたリーグから有望株が招かれる。

深堀理事長は「かつて日本の学生選抜と米国の大学選抜では大きな差があったが、今回は過去にない、いわば史上最強のチームを作り上げて臨む。勝てば、将来的にアイビーリーグ以外の大学も参加してくれるかもしれない。まずはアイビーリーグのオールスターに勝ちたい」と燃えた。

今夏には世界選手権の開催も予定されている。まだ日本の参加は確定していないものの、その強化まで見据えた貴重な国際経験の場となりそうだ。【木下淳】