第102回全国高校ラグビー南北北海道大会が21日、旭川市東光スポーツ公園で開幕する。南大会では3度の花園出場実績を持つ札幌清田が、ただ1人の3年生、田中釈寛主将を中心に8年ぶりの単独出場を果たす。

伝統校が35年ぶり4度目の花園を目指して、初戦で小樽潮陵と激突する。今年は1年生10人が入部し、総勢23人の単独チームで上位進出を狙う。

3年生唯一の部員、フッカーの田中主将は、特別な思いで大会を迎える。1年時は一時、3人にまで部員数が減少。連合を組んだ他校との合同練習も十分にできないままに大会に臨んだこともあり、苦しい2年間を過ごした。その経験も今では前向きに捉えている。「単独出場できるこの年の主将を務めることができてうれしいという気持ちしかない」ときっぱりと語った。

そんな田中主将を、個性豊かな経歴の下級生が支える。フルバックの山崎竜海(2年)は中学時代に打ち込んでいたソフトテニスで鍛えられたフットワークで頭角を現し、今年のU-17北海道代表に選出された。7月の強化試合に出場した山崎は「代表チームでは基礎からレベルの違いを感じたけど、得るものも大きかった」と振り返った。「道予選でもプレーでチームを引っ張りたい」と気持ちを高める。

指揮を執る堀貴博監督(42)は、同校OB。中京大を卒業後、中学教員になった。ラグビーを指導する機会はなかったが、18年に母校に赴任し、監督となった。就任5年目でようやく巡ってきた単独出場の機会に「清田の名前がトーナメント表に並ぶことが何よりうれしい」と感慨深げに語った。

チームスローガンは「敢闘」。164センチ、62キロの田中主将は「大きい相手にも粘り強くぶつかって、60分間戦い切りたい。まずは1勝して、堀監督に初勝利をプレゼントしたい」と力を込めた。【石井翔太】