16年冬季ユース五輪(オリンピック)金メダル、昨季は全日本選手権8位の山本草太(22=中京大)が159・68点の合計253・80点で3連覇した。06~09年の小塚崇彦による4連覇以来の連続優勝を遂げた。

前日のショートプログラム(SP)は94・12点の首位。迎えた2日目は宣言していた通り、基礎点が現行設定で3番目に高い4回転フリップに挑戦した。

冒頭に試み、転倒した。しかし目は輝いた。

「今回の試合は挑戦したい思いで臨めたので、フリップに挑戦できたというのは1つ収穫になったし、初めて4回転4本を跳べた。後半のトーループも悪くはなかったので、1つ、ここで4回転4本の構成に挑めたのは良かった。ここからグランプリ(GP)シリーズのフランス杯、NHK杯と続く。フリーの完成度を追い求めて、また構成を考えて、見つめ直して、しっかりと完成させられる演技をしたい」

言葉通り、構成は4回転3種4本の高難度で初めての挑戦だった。昨季からの4回転サルコーなどはきっちり決めた。

今後は国際スケート連盟(ISU)公認大会に入っていく。日本では宇野昌磨(トヨタ自動車)と佐藤駿(明大)以来となる公認大会での4回転フリップ成功へ、今後も挑戦していくか問われると「確率が上がったら入れる」としつつ「無理しなくてもいいかな」と感触を口にした。

「4回転3本でまとめた方が、ほかのジャンプもスピンもステップも表現できるし、それでも十分に高得点を狙える」からだ。

プログラム「ピアノ協奏曲第2番」については、こう語った。

「(鈴木)明子さんが、彫刻のようなポージングをイメージして振り付けてくれました。ただ、高難度ジャンプを入れると、その色味が薄くなってしまう。もっと濃い色を出したい」とジレンマも明かしながら「自分に合った曲調で、世界観をもっと濃く表現したい」と思い描いた。

11月の2試合に出場するGPシリーズに関しては「表彰台を目指して挑んでいけたら。最終的には全日本選手権(12月)も目標。プログラムを磨いていけたら」と意欲的だった。【木下淳】