日本ラグビー協会は30日、福岡市で日本代表の強化拠点となる「JRFU福岡トレーニングセンター(仮称)」を運営すると発表した。

10月に福岡市と土地賃貸借に関する契約を締結し、21年で廃部となったコカ・コーラレッドスパークスの拠点だった東区の「さわやかスポーツ広場」を承継する。全面開業の23年5月以降、同年W杯フランス大会に出場する男子15人制など各カテゴリーの日本代表が強化拠点として利用。同市との契約は10年とし、日本協会の岩渕健輔専務理事(46)は「中長期的には数億以上の(投資)金額になっていく。10年後、満了前のタイミングで福岡市さんと(以降の)お話をさせていただく。福岡から世界に出て行く」と力を込めた。

場所は福岡市の都心部や、福岡空港などから車で20~30分程度の場所に位置する。協会側は長年、グラウンドの面数、クラブハウス、宿泊棟、ホスピタリティー、ウエートトレーニング等の施設、スポーツ医科学の整備などに加え、空港からのアクセス、国際線の有無なども要件としながら場所を探してきた。岩渕専務理事は「ただ代表が合宿で使うだけでなく、事業として成り立たせていく。いろいろな形で(一般市民に)利用していただいて、日本代表に親しみも持ってほしい」と理想を掲げた。

今秋も15人制男子日本代表は別府(大分)や宮崎で合宿を行い、強化を続けてきた。日本協会の事業遂行責任者(ラグビー担当)中山光行氏(56)は「福岡に拠点を置きますが『全ての合宿を福岡で』ということではございません。これまでお世話になっている合宿地も引き続きお借りしながら、進めていきたい」と見通しを示した。【松本航】