3季ぶりのGPシリーズ参戦となったショートプログラム(SP)8位の紀平梨花(20=トヨタ自動車)が、フリー3位の125・06点を記録し、合計184・33点の5位で締めくくった。

笑顔が戻ってきた。ルッツ、フリップを回避したジャンプ構成で臨んだフリー。冒頭の3回転サルコー-2回転トーループから確実に着氷させていき、7つのジャンプをそろえた。演技後は右拳を振り、ブライアン・オーサー・コーチも拍手で喜びを表現した。

前日28日のSP後には「まずはコンディションを万全にして、大きなミスなく笑顔で終えたい」と誓った。昨季の右足首疲労骨折は完治しておらず、いまも練習量が増えると痛みが出るという。

その中でも少しでも前に進もうと模索する。SPでは大会前まで跳んでいなかった連続3回転にも挑んだ。着氷は乱れたが、復活への気持ちの強さをうかがわせていた。

GP2戦目は第6戦フィンランド大会(11月25~27日、エスポー)。コンディションと向き合いながら、完全復活への段階を踏んでいく。(ミシソーガ=阿部健吾)