男子は二階堂蓮(21=日本ビール)が合計250.5点で初優勝した。

1回目に142.5メートルでリードを奪い、2回目は122.5メートル。2位に飛距離換算で21メートル差をつける38.4点差で制した。

北京五輪金メダリスト小林陵侑は不在だったが、風の条件がめまぐるしく変わるなかで勝ちきり「自信につながる」と手応えをつかんだ。89年度の同大会(兼全日本選手権)では元世界選手権代表の父学さん(56)も優勝しており、親子Vとなった。

初めてW杯開幕メンバー入りした。遠征メンバー入りも初で、「やっとここまでたどり着いた」。W杯出場は下川商高3年時の20年札幌大会の2戦のみ。今夏初参戦のGP(グランプリ)ルシュノブ大会(ルーマニア)でいきなり初優勝を飾り台頭した。今年3月からスキー部を立ち上げた現在の所属先の選手になった。昨季は田植え作業のアルバイトなどをこなしながら活動費を集めていたが、競技に集中できる環境となり、成績も上げている。

W杯は5日ビスワ大会(ポーランド)から開幕する。出発前最後の大会を笑顔で締め、「ワクワクしている。実力を見せつけたい」と、期待感でいっぱいだった。【保坂果那】

◆二階堂蓮(にかいどう・れん)2001年(平13)5月24日、江別市生まれ。江別大麻泉小2年で札幌ジャンプスポーツ少年団で競技を始め、江別大麻東中2年で全国中学2位。下川商3年で出場したW杯札幌大会2戦は35、46位。家族は両親と姉、兄。父学さんは元ジャンパーで91年世界選手権出場。166センチ、55キロ。

◆今季W杯予定 男女ともに11月5日ビスワ大会(ポーランド)で開幕し、最終戦は男子が来年4月2日プラニツァ大会(スロベニア)、女子は3月24日ラハティ大会(フィンランド)。個人戦は男子31戦、女子30戦を実施する。男女ともに新型コロナウイルスで2年連続中止だった日本開催が3年ぶりに開催見込みで、札幌大会は女子が1月7日開幕、男子が同20日開幕、蔵王大会は女子のみで同13日開幕。