10月の世界選手権で銀メダルの橋本壮市(31=パーク24)が、オリンピック(五輪)2連覇中の大野将平(30=旭化成)が直前に欠場した大会を制覇し、24年パリ五輪につながる来年5月の世界選手権(ドーハ)代表へ前進した。

決勝は延長戦の末、古賀颯人(慶応高教)を左の一本背負いで巻き込み、技ありを奪った。

92年バルセロナ五輪71キロ級の金メダリスト古賀稔彦さんの25歳長男で、大野に代わって補欠から繰り上がり出場した古賀颯人に指導で先行されたが「パリで金メダルの目標へ落とせない試合」と位置付けて優勝。「久しぶりで素直にうれしかった。1位と2位では大きく違うので良かった」と納得した。

一方、自階級では東京五輪以来となる復帰を予定していた大野が先月28日に欠場を発表。世界トップクラスの2人の直接対決が実現しなかったことには意地のコメントを口にした。

「自分も多くのけがを抱えていて万全ではなかったが、体にムチ打って、どんな状態でも畳に上がってこそ現役選手。今日、倒してやるという気持ちだったので残念だなと思います」と複雑な感情を示した。

今後に関しては「パリへ(代表争いは)まだまだ続くと思うので、畳の上で結果を出し続けていきたい」と力を込めた。【木下淳】