京産大が98年以来の2連覇を飾った。第1試合で2位天理大が敗れて決まった。最終節は主力が離脱する緊急事態の中、後半に突き放して39-18で近大に勝利。元日本代表SOの広瀬佳司監督(49)が就任後、関西リーグは14戦全勝。悲願の大学日本一へ弾みをつけた。

入れ替え戦の可能性もあった同志社大は47-19で2位天理大に完勝。結果的に3位となり、全国大学選手権の上位3枠出場権を獲得。劇的勝利で滑り込んだ。摂南大、関大は入れ替え戦(11日)にまわる。

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総合力が試される最終戦になった。京産大の屋台骨を担うプロップ渡辺龍(4年=甲南)が開始直前のウオーミングアップで負傷。FB北山絢大(4年=東海大大阪仰星)は胃腸炎で先発を外れた。前半は一時勝ち越しを許すなど、リードはわずか2点。前に出る守備とセットプレーを修正し、後半開始直後のノーホイッスルを含め一気にトライを重ねた。控え選手の力も発揮した2連覇だった。

就任1年目の昨季から関西では無傷の14連勝を飾り、広瀬監督は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

「苦しい時間が多かったが、試合中に修正できたことが収穫です。去年は毎試合が接戦。今年は圧倒したこともあったが、我々は毎試合が必死でした」

元日本代表CTBの元木由記雄GMとの二人三脚でチームを強化した。練習量は日本一厳しくとも、いまだ日本一に届いたことはない。元木GMは部員へこう訴えかけた日がある。

「広瀬はあんなに小さな体で日本のSOとして一時代を築いたんや。お前ら努力の大切さが分かるか?」

まだ見ぬ大学日本一へ。福西主将は「反省を生かして選手権を戦います」。広瀬監督は「必ず頂点を目指してやっていく」。真の戦いが始まる。【益子浩一】

◆全国大学選手権 関西は3枠。2位天理大は筑波大と、3位同志社大は福岡工大と11日に初戦(いずれも花園)を迎える。1位京産大は25日の準々決勝からの登場で流通経大-慶応大の勝者と対戦(大阪・ヨドコウ)。準決勝は1月2日、決勝は8日(いずれも国立競技場)。