全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)が来月4日、東京体育館で開幕する。女子は10年連続15度目出場の富士見(静岡)が、7年連続9度目の松山東雲(しののめ、愛媛)と対戦。全員バレーで4年ぶりの初戦突破を目指す。

富士見はU-18日本代表の2年生エース・渡辺実羽香(みうか)が攻撃の中心。三島南を退けた県大会決勝では、相手の3枚ブロックに苦しみながらも3本のブロックと5本のサービスエースで相手の勢いを封じ、全国大会の出場権をたぐり寄せた。「早く試合がしたい。支えてくれている方々に感謝の気持ちを持って戦います」と抱負を語った。

全国大会ではエース渡辺へのマークが厳しくなる中、今夏から成長著しい2人の活躍が鍵となりそうだ。1年時からメンバー入りしてきた八田舞花(2年)だ。県大会決勝ではエース渡辺のアタック21得点を上回る22得点。5本のブロックを決めるなど攻守で貢献した。「県代表として自信を持って戦いたい。粘り強いバレーで全国でも笑顔を見せたい」と意欲を示した。

164センチと小柄ながら高い身体能力とスピード感が魅力の土屋菜々美(3年)も健在だ。「全国での高さ対策は万全。相手ブロックを翻弄(ほんろう)したい」と意気込んだ。1、2年時は試合ユニホームを着ることなくベンチ外。休日返上の自主練習を重ねてレギュラーを獲得した。「富士見でバレーができてよかった。高校3年間の集大成。全てを出し切りたい」と力を込めた。

同大会では3年連続で初戦敗退。全国でのスピードとパワーの攻撃に備え、守備力を徹底的に強化してきた。甲斐健吾監督(39)は「まだミスの多いチームだが失敗を恐れずに相手に向かって欲しい。まずは初戦突破」と望んだ。1回戦で四国の強豪を破って勢いをつけるつもりだ。【山口昌久】