米バスケットボールNBAでプレーするフォワードの八村塁(24)が、交換トレードでウィザーズからレイカーズに移籍することが決まった。23日(日本時間24日)に両チームが発表した。レイカーズは八村を獲得し、ウィザーズは今季主に控えで39試合出場のガード、ケンドリック・ナン(27)とドラフトでの複数の指名権を手にした。日本代表のエースでもある八村は、通算17度の優勝を誇る名門チームで再出発を切る。

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マジック・ジョンソン、シャキール・オニール、コービー・ブライアント…。数々のスーパースターがプレーしてきた名門のユニホームに、八村が袖を通すことになった。

レイカーズのペリンカ・ゼネラルマネジャーは公式サイトで、「ウイングのポジションにサイズと厚みの両方を加えるのが我々の目的だった」と獲得の理由を説明。「攻守両面において技術を兼備する塁のような選手を獲得できることはめったにない」と喜んだ。

NBA歴代最多タイとなる17回の優勝を誇るレイカーズ。リーグの看板選手で「キング」と称されるジェームズをはじめ、MVP経験を持つウェストブルック、デービスの“ビッグ3”が所属。今季は苦戦が続き、22勝25敗でプレーオフ圏外の12位に位置するが、ここ12試合では8勝4敗と調子を上げている。八村というフレッシュなピースが加わることで、巻き返しの勢いを加速させる。

4年目の八村は最長4年のルーキー契約最終年。指揮官が代わった昨季からは控えに回ることが多く、今季は30試合すべて途中出場で1試合平均13・0得点の成績。現地報道によれば、レイカーズは今季終了後に八村との契約を延長する方針とされる。同じフォワード陣ではジェームズが不動の先発で、デービスも主力だがけがが多い。ブラウンは1試合平均6・9点にとどまっており、得点力では八村に分がありそうだ。これまで八村が付けていた背番号8は、飛行機事故で亡くなったブライアントさんの永久欠番。新チームではどの数字を選ぶかも注目される。レイカーズの次戦は24日(日本時間25日)、クリッパーズと対戦する。

トレード報道の渦中にあった21日のマジック戦で八村は、自己最多に並ぶ30得点で存在感を示した。試合後には、「選手として求められるところでやりたい。僕はチームが勝つための手助けができる」と自負も口にしていた。

優勝争いからは縁遠かったチームを離れ、スター選手がそろう名門へ。宮城・明成高(現仙台大明成高)からゴンザガ大に進み、日本人として初めてドラフト1巡目指名を受けた。日本のエースのNBAでの第2章が始まる。

 

▽レイカーズ・アラカルト

◆所属 西地区

◆創設 48年にミネアポリス・レイカーズとしてNBA加入、60年にロサンゼルスに移転

◆チーム名の由来 当時のホームタウン周辺に湖が多かったことから「レイカーズ」と名付けられた。

◆優勝回数 通算17回で、セルティックスと並び史上最多タイ

◆本拠地 クリプト・ドットコム・アリーナは99年完成。長らくステイプルズ・センターと称していたが、21年に暗号通貨会社が命名権を取得し名称変更。クリッパーズやNHLキングスの本拠地でもある。20年には飛行機事故でなくなったブライアント氏の追悼式も行われた。

◆名選手 80年代には“マジック”の愛称で知られるジョンソンが所属。00年代にはオニールとブライアントの2枚看板で3連覇を遂げた

◆資産価値 米経済誌「フォーブス」が22年に発表した「世界で最も資産価値の高いスポーツチーム」でのチーム評価額は55億ドル(約7150億円)で、NBAではニックス(58億ドル)、ウォーリアーズ(56億ドル)に続いて3番目(全体10番目)。サッカー・スペインリーグのレアル・マドリード(51億ドル)、バルセロナ(50億ドル)や、MLBドジャース(40・8億ドル)よりも高い。