今年の活躍が期待される監督、選手などのインタビュー連載「静岡から新たな風を」の第7回。卓球Tリーグ男子の来季参入が先月承認された「静岡オクシズUU」(運営会社)の設立から4カ月がたった。新規参入に向け、河村水稀(みずき)代表がチームづくりなどを一から進めている。静岡市の中山間地「奥静岡エリア」を本拠地とし、地元に密着しながら県を代表するチームに育て上げるつもりだ。来月1日には、現在5案まで絞り込んだチーム名を発表する予定。連日、県内外を奔走する河村氏が、胸に秘めた思いなどを語った。

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チーム名の公募が今月15日まで行われた。県内外から500案近くの応募があり、最終候補を選考。「静岡ジェード」「龍爪(りゅうそう)静岡」「ヴェール静岡」「静岡フォルティス」「アルビレオ静岡」の5案に絞り込んだ。

河村氏 100件に届けばとの思いをはるかに超えてうれしかったです。どれも思いや意味が込められ、この5案からどれが選ばれてもおかしくないです。

同社公式ホームページで5案に対し、31日正午まで投票を実施している。来月1日には決定したチーム名を発表する予定だ。

河村氏 どれになってもみなさんに名付けていただいたチーム名ですから、愛着をもち、名に恥じない活動をしていきます。所属する選手らにも、由来から理解してもらいます。

当初の所属選手は、参戦に必要な最低登録の4人から10人ほどを見込む。4月以降に発表予定だ。そして参戦初年から優勝を狙う。

河村氏 選手に関してはまだ分かりませんが、実業団(日本リーグ)からだったり、Tリーグチームからの移籍もあるかもしれません。実業団は、そちらに所属しながらTリーグに参戦もできます。年齢制限はなく、高校生や大学生の可能性もあります。ただ実力と人柄を見て決めます。地域密着として静岡市内か奥静岡に住み、一緒に練習することにこだわります。

強いチームにするため、練習環境が大事だという。

河村氏 監督やコーチについてもしっかり考えていきます。選手がプレーに集中し、力を伸ばせるようサポートしたいです。

試合のホーム会場はどこになるのだろうか。

河村氏 Tリーグにホームアリーナのような概念はありません。県内の試合会場として静岡市中央体育館やグランシップ、大型商業施設の「ららぽーと」などを考えています。体育館とかは1000~1500人の集客目標ですが、ららぽーとは有料席がかなり少なくなります。ただ買い物に来たお客さんに「何をやっているんだろう」とアピールできます。卓球を知ってもらい、興味をもってもらうには絶好の場です。

卓球に込める思いは人一倍強い。奥静岡からTリーグ参入を決めた背景には、人口減少の歯止めや地域活性化などの願いもある。

河村氏 愛知や神奈川には女子のTリーグチームがあります。静岡もその2県に肩を並べるぐらい競技人口は多いのに、チームがないのは疑問でした。ないならつくってしまおうと。葵区長さんと話す機会があり、奥静岡に腰を据えることになりました。卓球は老若男女が楽しめ、健康寿命延伸の一助にもなる生涯スポーツです。認知症予防にもいいといわれます。地域が抱える問題の解決に少しでもつながれば。また県内ユース世代の受け皿になるチームもつくり、強い選手の県外流出を防ぎたいです。

すべてが軌道にのるにはまだ時間がかかるが、ゼロからチームを立ち上げた。

河村氏 最初は地元の理解を得るのに大変なこともありました。真摯(しんし)に話し合い、応援してくださる方々が増えて励みになります。責任の重みを感じ、絶対に成功させたいです。開幕まで、できることを休む暇がないぐらいにやり、最初の県内戦は会場をお客さんで満員にしたいです。将来「卓球といえば静岡だよね」と言ってもらえるようになりたいです。

【取材・構成 倉橋徹也】

◆河村水稀(かわむら・みずき)1993年(平5)10月22日、埼玉県さいたま市生まれ。指扇中-県陽高(現川口市立)-東洋大。中学で卓球を始め、高校と大学でもプレー。大学時は選手兼で日本学生連盟や関東学生連盟にスタッフとして携わった。卒業後はIT企業などを経て卓球関連会社で大会運営やマネジメント、選手サポートなどに従事。2019年の結婚を前に静岡へ移住した。22年9月から現職。息抜きはコーヒーとお酒を楽しむこと。家族は夫。血液型O。