車いす男子シングルスで第3シードの小田凱人(ときと、16=東海理化)がグランドスラム(4大大会)初の決勝進出を決めた。

準決勝で第2シードのグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)を6-2、4-6、7-5で破り、4大大会参戦2年目で初のファイナルに駒を進めた。

もう一方の準決勝では第1シードのアルフィー・ヒューエット(英国)が三木拓也(トヨタ自動車)を6-1、6-1で退け、決勝で小田と対戦する。

準決勝で勝った後、小田が応じたWOWOWの単独インタビューの内容は次の通り。

--グランドスラム参戦2年目で初の決勝進出。感想を

小田 自分としては「ついに」という気持ちが強いです。ここまできたら最後は全てを出し切るだけなので、気負わずにいつも通り自分らしいテニスをしたい気持ちがすごく強いです。

--準決勝は壮絶な試合だった。最初の2セットを振り返って

小田 1セット目の1ポイント目から自分のテニスをして、どんどん攻める気持ちで気合が入っていましたし、モチベーションも高い状態で試合に挑めたので、1セット目は思い通りに進められた展開でした。2セット目に関しては、自分が落ちたというより、相手の力が上回った感じです。ただ、チャンスがないわけではなかったので、そこで取り切れていたらと思います。ファイナルセットに入ってから、振り出しに戻った気持ちで試合を進めることができました。スタートは良くありませんでしたが、そこから接戦を演じ、特に(セットカウント)3-5から巻き返した場面では、今までやってきたことが試合で出たと実感しています。達成できたことで今は自信があります。これからもっともっと、ああいう試合を経験していく中で自信となって経験として残っていくと思います。今年はまだ始まったばかりですが、この1年の中で大きな1試合になるかなと感じます。

--決勝の相手はヒューエット。これまでの対戦成績は1勝4敗で、どのようなイメージを持って、どのような戦い方をするか

小田 先週、メルボルンの大会で対戦しているので、どんな感じなのかは分かっています。もちろん手ごわいですし、今のランキング1位です。チャンスはあると思いますが、準決勝より、かなり厳しい戦いになることは分かって臨みます。相手の対策もしていて、どういう展開でポイントを取る、というのも重要になってくると思います。ただ、自分の実力をどれだけ出せるかが勝敗の分かれ目になると思うので、必ず、全力を毎回出せるような実力をつけたいです。今はどの会場になるかわかりませんが、会場が大きいほど100%以上の実力を出せるような自信がありますので、モチベーションを保ちながら試合に挑めば、これまで以上にチャンスがあると思います。これまでのキャリアの中で大舞台になるので、今は楽しみでしかないです。

--今日も会場にはファンが多くいた。やはり楽しみな気持ちが大きいか

小田 そうですね。日本人を含めて、たくさんの方に見ていただいた方が自分はプレーが上がってくる選手だと思うので、準決勝よりも多くの方々に見てもらいたいと思います。それは車いすテニスに対しても良いことだと思います。車いすテニスに対して好影響を与えられるような選手になりたいですし、自分が頑張ることで、いろいろな人を勇気づけられればと思います。逆に日本からライバルが現れてほしいと思いますし、本当に楽しみです。

◆全豪オープンテニスはWOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドでは全コートライブ配信される。