柔道男子73キロ級で五輪2連覇の大野将平(31=旭化成)が、24年パリ・オリンピック(五輪)での3連覇を目指さず、来年度から英国で指導者として研修を行うことになった。7日に都内で会見。1つの節目と語ったが「柔道家に引退はない」と所属の旭化成には選手兼コーチとして残る。今後の試合は未定。日本柔道の体現者が新たな道に進む。

<大野に聞く>

-留学先に欧州を選んだ理由

日本柔道は、五輪の金メダルが当たり前であります。そのハードルの高さをやりがいに感じ、競技生活を送ってきた半面、なかなか評価されない切なさも感じながらいました。試合や合宿等で欧州に行くと、本当に熱烈な歓迎をされます。人気や熱量は、すごいものがある。飛び込んで感じてきたかった。いずれは国際的な人材になれるように精進したい。

-切なさについて

日本の柔道界の中では、やはり花形は重量級だということがある。柔道スタイルも、重量級よりも魅力あるものを体現したいと、それがモチベーションだったことは間違いないです。

-振る舞いの部分での評価について

礼に始まり礼に終わるということが柔道にありますが、今や専売特許ではなくなっています。そんな中で、私自身ガッツポーズをしないところを評価していただいて、うれしい。13年の世界選手権で、初めて世界王者になった時、その時は本当に純粋にうれしくてガッツポーズが出てしまいましたが、柔の道で高めていくにあたって、無駄がそぎ落としていけた。

-後輩たちへ

武道とスポーツの違いを理解して畳の上に立ってほしい。アスリートでもありますが、あくまでも柔道家でありたいなと常日頃から思っていました。スポーツのルーツは遊びであり、武道、柔道のルーツというのは、本当に生きるか死ぬか。本当に命をかけたところにある。自分自身を極限状態まで研ぎ澄まして戦いの場に臨んでほしい。

-印象深い試合

私の柔道人生での一番の試合は間違いなく、19年の全日本選抜準決勝の海老沼(匡)先輩との試合。先輩との何戦かっていうのが、リオで王者になった後に一番成長させてくださった記憶があります。