B1仙台89ERSが茨城に71-94と大敗。同日、残留を争う富山が信州に勝利し、仙台のB1残留確定は次節以降に持ち越しとなった。

第1クオーター(Q)は17-28も、第2Qに沢辺圭太(28)らの献身的なディフェンスが実を結び、茨城をわずか10得点に抑えた。しかし、第3、4Qは31、25失点。茨城に2試合連続で90点以上の失点を喫した仙台は、堅守が持ち味の「仙台89ERSのバスケット」に立ち返り、残留確定のランプをともす。

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堅守が要所で息をひそめた。第1Qに28失点、第3Qに31失点、第4Qに25失点と、茨城の攻撃力に押された。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=37)は「ディフェンスを得意とする選手たちが入りでやられて、第3Qはディフェンスがあまり得意じゃない選手たちがやられて…。僕の采配も含めてチグハグしてしまった試合」と振り返った。

一方で第2Qを10失点で抑えられたことには「第1Qにやられてしまった(沢辺)圭太や(田中)成也が、意地になってディフェンスをしてくれた」と選手たちを評価。前半を折り返した時点では34-38と4点差だっただけに、後半の戦い方が悔やまれる一戦となった。沢辺は「第3Qの連続3Pなどで向こうに流れを持っていかれてしまった。乗せちゃいけない選手を乗せてしまった」と反省した。

「自分たちがどういうチームか、立ち返らないといけない」。16日は藤田弘輝HCの37歳の誕生日だったが、届いたプレゼントは厳しい結果。B1残留はお預けとなった。残留へは19勝がボーダーラインとみられ、今季の残り7試合で、仙台が1勝、富山が1敗すれば残留が確定する見込みだ。次節は今季1勝2敗と負け越している秋田との東北ダービーが控え、その後はA東京、北海道、群馬と今季未勝利の相手が続く。厳しい戦いが予想されるが、沢辺は「相手うんぬん関係なしに自分たちの力で残留を決めたい。夏からやってきた『89ERSのバスケット』は良くなってきていると思うので、自信をもって戦いたい」と前を向く。自力でチーム初のB1残留をつかみ取るため、泥臭く戦い続けるしかない。【濱本神威】