柔道の21年東京オリンピック(五輪)女子78キロ超級の金メダリスト素根輝(23=パーク24)と、女子57キロ級で世界選手権2年連続準優勝の舟久保遥香(24=三井住友海上)が、来年7月に開幕するパリ五輪の日本代表に内定した。

全日本柔道連盟(全柔連)が23日、オンラインで強化委員会を開き、全日本女子の増地克之監督(52)からの推薦が承認された。

素根は5月の世界選手権で優勝し、来夏の2連覇候補。東京五輪後の左膝手術から復活し、昨年12月のマスターズ大会も3位と安定した成績を残していた。増地監督は「ディフェンディングチャンピオンの経験が生きる」と期待した。

対抗の冨田若春(コマツ)は今年のマスターズ大会で初戦敗退。素根と同時出場した昨年のグランドスラム(GS)東京大会も、素根の優勝に対し自身は5位と序列を覆せなかった。

舟久保は22、23年の世界選手権ファイナリスト。2年連続で銀メダルにとどまったものの、今年のマスターズ大会3位など国内トップの実績を積んできた。一方、対抗の玉置桃(三井住友海上)がGSウランバートル大会で2回戦敗退するなど差が開いていた。

全柔連の規定では「同じ階級の(2番手以下の)他選手と明らかな差がついた」と判断された場合、強化委を経て五輪代表を早期内定できる。この制度は自国開催の東京五輪を前に整備された。疲弊や負傷のリスクを減らし、本番に向けて十分な準備期間を確保する狙いがある。結果、東京大会で史上最多の金メダル9個を含む12個のメダル(全14階級)を獲得した。

女子は、既に2人が早期内定。48キロ級で世界選手権3連覇の角田夏実(30=SBC湘南美容クリニック)と70キロ級の世界女王、新添左季(27=自衛隊)がパリ切符をつかんでいる。

今回、内定しなかった57キロ級と78キロ級の代表は11月の講道館杯、12月のGS東京大会の結果を見て決定。年内に全7階級の代表が出そろう。【木下淳】