昨季の4大陸選手権とジュニアの世界選手権で2冠を達成した三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)は、フリー145・41点の合計227・33点で3位だった。

前日はショートプログラム(SP)直前に、公式練習で他選手と衝突して左腰を肉離れ。全日本選手権(12月、長野)につながるブロック大会のため強行出場中で、この日も状態が心配されたが、気迫あふれる演技を見せた。

冒頭、構成を落とすどころか、習得中の4回転ループに挑んだ。やや着氷は乱れたものの転倒することなく降りてみせる。結果としてはダウングレード判定だったが、ひるまなかった。

2本目の4回転ジャンプであるサルコーも、こらえる。4回転-3回転の2連続トーループも踏ん張り、負傷を抱えながら3種の4回転にチャレンジした。

「点数だけ見るとマイナスにとらえられるかもしれませんけど、試合の本番でループを締める感覚であったり、最初にループがきた後、他のジャンプをどう跳んでいくか、試合じゃないと経験できないこともあるので」

「前日のけがは、状況と相談しながら、トレーナーさんとも相談しながら、できそうだったので。もちろんズキズキ、肉離れなので痛みは出てしまうんですけど、同じようにしなければ肉離れはあまり悪化はないので。もちろん注意しながらですけど、今日はできるだろうという。明日ちゃんとした病院に行って、もちろん検査は受けるんですけど、トレーナーさんから重症ではなさそうだねと。本当に軽いものなので2週間弱とか、そんなもんで収まってくれるだろう、って判断で。マイナスにとらえていないですし、少しずつ練習は続けていこうと思っています」

アクシデントがあった時の心構えを問われると、こう気丈に答えた。

「今回の肉離れの場合ですと、やっぱりこう、アクシデントがあった時は『マジか…』って感じだったんですけど、相手の選手もすぐ謝ってくれましたし、悪気があってぶつかってきているわけじゃないので。自分自身はポジティブです。もちろん痛みはありますけど、スケートの質自体が落ちるわけではないので、変わらずいけたかなと思います」

夏は仮のものだった衣装も本番用が届き、国内の公式戦初戦から着用した。今後はグランプリ(GP)シリーズへ。

「どんどん海外試合が続いていくので、しっかりケアもしつつ、今回のけがは自分では防ぎようがないもので仕方ないこと。けがをしないよう、調子自体は悪いと思ってないので、これからのシーズンに向けて準備したいなと思います」

表彰台も盟友と独占。鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)がフリー194・95点、合計284・75点で完全優勝。佐藤駿(19=エームサービス/明治大)はフリー167・66点、合計251・28点で2位だった。【木下淳】