来夏のパリ五輪予選として開催される男子W杯バレーが開幕し、日本代表（世界ランキング5位）は苦戦の末に白星発進した。格下のフィンランド（同28位）に、2－0から2－2と追い上げられ、最終第5セットでは10－12となる場面もあった。
8カ国総当たりの9日間7戦の短期決戦。上位2カ国に与えられる来夏のパリ五輪出場権獲得への窮地を救ったのはアウトサイドヒッター（OH）高橋藍（22）だった。サービスエース、強烈なアタックと得点を重ねて、15－12と一気に勝負を決める立役者となった。チーム最多の23得点で勝利に導いた。
試合後のコート上のインタビューでは「フルセットで勝ち切ることができたのは非常にうれしく思います」とし、「1戦目で簡単に勝てる試合はないと、危機感として分かった。これはすごく大きなことなので、また気持ちを切り替えて、皆さんと一緒に戦っていきたい」と強調した。
インタビュアーから「なぜ見ていて楽しそうにみんなバレーができるのか」と聞かれると、しばし思案。「そうですね、僕たちも楽しんでバレーボールをしているので、その中でバレーボールが楽しくなっているのかなと思います」と回答した後に、「すみません、（話すのが）下手くそで」と苦笑いで謝る一幕もあった。
次戦は1日にエジプト戦（同19位）が控える。
◆パリへの道 パリ五輪出場枠は開催国フランスを含む12。五輪予選のW杯バレーは、世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれ、総当たりで対戦。男子はブラジル（同A）、日本（同B）、中国（同C）で30日に開幕し、各組上位2カ国の計6カ国ずつが出場権を得る。残る5枠はネーションズリーグ（VNL）予選ラウンド終了時（6月）の世界ランキングで決定。日本がW杯バレーで出場権を逃した場合は、VNLに出場し、ポイントを重ねてランキングをより上位に上げることが必要。W杯バレーでの大陸別の切符獲得状況も、重要な要素となる。
