帝京大が3年連続12度目の優勝を決めた。

慶大から8トライを奪って54-10と圧倒し、7戦全勝締め。1年時から主力のフランカー奥井章仁が2トライ、フッカー江良颯主将(ともに4年)が「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」と“大阪桐蔭高コンビ”がけん引した。

3連覇を目指す全国大学選手権は準々決勝(23日、秩父宮)からの登場。対抗戦3連覇を通過点とし、コロナ禍で入学した最上級生が、再び黄金期を築き上げる。

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試合後の記者会見は終盤に差しかかっていた。「対抗戦の優勝が決まりましたが…」。そんな問いを受けた帝京大・相馬監督は、素直な心境を伝えてわびた。「チーム一同うれしく思っています。価値はとても高い。ただ、勝った瞬間から気持ちが先に飛んでしまっていました。(会見の最初に)コメントできなかった。反省しています」。ノーサイドの笛の瞬間から、王者の頭の中は「日本一」を考えていた。

横綱相撲だった。序盤の15分間は相手陣でミスが相次ぎ、主将の江良は「取り急いでしまった」。それでも前半17分、ラインアウトからボールを受けたフランカー奥井が先制トライを挙げると、22分にはFWが縦に前進。最後は右大外のWTB小村へ渡し、主導権を完全に握った。26-3で迎えた後半も先手を奪われながら、4トライを重ねて勝負あり。スクラムも終始圧倒したが、試合後の円陣では江良が問いかけた。「対抗戦優勝。みんなを誇りに思う。でも、これで満足しているヤツおるか?」。

現4年生が高校1年時、帝京大は前人未到の全国9連覇を成し遂げた。しかし、入学した20年度は対抗戦4位、全国4強。コロナ禍で大学生活が始まり、奥井は「隔離だったり、面白くないことが続いた学年」と冷静に言う。2年時に大学として4季ぶりの日本一。先輩が示してきた成功体験から「4年生が締めくくりで、どういう行動を取っていけるか」と気を引き締めた。対抗戦後も絆を乱さず、全員で願いをかなえるべく言った。「絶対に(江良)颯を国立で胴上げしたい。4年生とみんなで、試合が終わった瞬間に喜びたい」。

大学選手権の決勝は来年1月13日。さらに強くなり、国立で笑う。【松本航】

 

○…敗れた慶大は、防御に一定の収穫を得た。後半開始早々にプロップ吉村のトライなどで16点差に迫り見せ場を作ったが、3勝4敗の5位。前戦の早大戦で敗れてからは、強みのキックの攻防、防御に注力し「イングランドになって、王者に勝とう」と同じ強みを持つ伝統国にイメージを重ねて練習してきた。大学選手権初戦は天理大(関西2位)。主将のプロップ岡は「慶応らしい防御は体現できたけれど、まだまだ甘い」とさらなる成長を誓った。