就実(岡山)が頂点に返り咲いた。決勝でインターハイ、国体との3冠を狙った下北沢成徳(東京)を3-0で撃破。3連覇を目指した前回大会の初戦直前に「コロナ陽性」とされ、棄権を余儀なくされたチームが、2年ぶり5度目の優勝を飾った。

コートを踏めなかった先輩たちの無念を晴らした。第1セット(S)から、エース福村心優美(こゆみ)を中心とした2年生スパイカー陣が自慢のアタックで得点を量産。勝負どころで2度の4連続得点を記録し、25-17でセットカウントを先取した。

第2Sは、立ち上がりから押川優衣(2年)のアタックなどで3点を先制して主導権を握ると、167センチの高橋凪のスパイクなど一気の5連続得点で突き放した。後半にも3連続得点でダメ押しし、セットポイントから岡崎杏(3年)がアタックを決めて25-17で連取した。

第3Sは11-6から6連続失点を喫しこの試合初めてリードを許したが、焦りはなかった。福村、押川が要所でアタックを決めてコンスタントに得点。マッチポイントで相手のアタックがアウトとなり、25-21で優勝が決まった。

昨年のインターハイ準々決勝でストレート負けを喫した相手に、ストレート勝ちでリベンジ。同じく2年生を中心とする名門に付け入る隙を与えなかった。

今大会全試合でストレート勝ち。相手に20得点台に乗せられたのも準々決勝金蘭会戦の第1セットと、準決勝誠英戦の第2セット、この試合の第3セットの3度のみと、圧倒的な強さを誇示した。

3連覇を目指した前回大会は、直前の「コロナ陽性」で棄権。初戦直前で、ウォーミングアップをしていた選手たちは泣き崩れた。その後、同高が行った検査では全員陰性だったが、大会規定で、棄権による不戦敗の判断は変わらなかった。そんな悲劇を乗り越えるため、頂点を目指して練習に明け暮れた。昨年出場を果たせなかった先輩たちが応援席で見守る中で、選手たちは栄光をつかみ、うれし涙を流した。

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