バレーボールVリーグ女子1部のファイナルステージ(FS)が、24日に東京・片柳アリーナで幕を開ける。

レギュラーラウンド(RR)上位6チームによるトーナメント戦で、RR3位の久光は2年ぶりの王座奪還を目指す。カギを握るのが3年目のセッター万代真奈美(25=筑波大)と高卒ルーキー北窓絢音(19=誠英)。RRでは主に途中出場ながら、それぞれが求められる役割を果たし、勝利に貢献してきた。島根・松江市出身の“姉妹”コンビが、優勝へのジョーカーとなる。

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順位争い大詰めの2月3日日立戦。久光の危機を救ったのが北窓だった。セットカウント0-2と後がない状況で迎えた第3セット開始から登場。敵将が「ルーキーとは思えない」と評した8得点を挙げる活躍で逆転勝ちに導いた。

主戦場はリリーフサーバーだが、レギュラーラウンドでは計32セットに出場。「毎回緊張しますよ~」と明かすおっとりとした口調とは対照的に、コートでは鋭い一打で形勢を動かす。高校時代はミドルブロッカーだったが、「一番点が取りたい」という負けず嫌いが、アタッカーとして成長を続ける土台。「少しでもサーブで崩して勝ちに貢献できるように」と、はつらつさと度胸で空気を一変させてきた。

流れを変える役割があれば、途切れさせない仕事を求められる選手もいる。3季目のセッター万代は、主に「2枚替え」で起用される。各セット終盤に前衛のアタッカーを減らさずに攻撃できるよう、セッターとその対角を同時に交代させる戦術だ。メンバーとの意思疎通はもちろん、リズムを崩さないトスワークが求められる。サーバーから入ることが多いため、サーブ能力も必要となる。

1月21日のKUROBE戦では、この2枚替えからエース3本をマーク。勢いを加速させ、勝利につなげた。昨季までのリーグ戦出場はわずか1試合だったが、副主将として迎えた今季は全試合に出場。「勝つ経験が自信につながっている」と、強気な姿勢で勝負どころの攻撃をけん引する。

そんな“ジョーカー”を担う2人は島根・松江市出身。実家は車で5分もかからない距離にあり、6歳差ながらコートを離れてもゲームやランチをともにする仲。「本当のお姉さんみたいで頼れる存在」(北窓)、「何をしていてもかわいい。かわいいって最強です」(万代)と笑い合う。

いよいよ始まる一発勝負のファイナルステージ。万代、北窓は「自分たちのできることを一生懸命やり切りたい」と声をそろえた。ここぞの“松江の姉妹”が頂点奪回への切り札になる。【勝部晃多】

◆万代真奈美(まんだい・まなみ)1998年(平10)5月17日、島根県松江市生まれ。小3で競技を開始。岡山・就実中から就実高に進み、3時には春高バレー準優勝。筑波大では1年時の全日本インカレで準優勝、2、3年時にV。3年連続でセッター賞を受賞し、4年時にはユニバーシアード代表主将を務めた。21年に久光に入団。身長168センチのセッター。

◆北窓絢音(きたまど・あやね)2004年(平16)7月6日、島根県松江市生まれ。姉の影響により小1で競技を開始。山口・誠英高3年時の春高バレーでは準優勝に貢献。23年に久光に入団し、同4月のアジアクラブ選手権でデビュー。7月のVサマーリーグ西部大会では主力として活躍し、フレッシュスター賞を受賞した。身長183センチのアウトサイドヒッター。