バレーボールVリーグ女子1部のファイナルステージ(FS)が、24日に東京・片柳アリーナで開幕する。レギュラーラウンド(RR)上位6チームによるトーナメント戦で、RR3位の久光スプリングスは2年ぶりの王座奪還を目指す。カギを握るのが3年目のセッター万代真奈美(25=筑波大)と高卒ルーキー北窓絢音(19=誠英)。RRでは主に途中出場ながら、それぞれが求められる役割を果たし、勝利に貢献してきた。島根・松江市出身の“姉妹”コンビが、飛躍のシーズンを振り返りFSに向けて意気込みを語った。【取材=勝部晃多】

 

■飛躍のシーズン

-万代選手は、昨季までのリーグ戦出場はわずか1試合でしたが、副主将として迎えた今季は全試合に出場。変化がありましたか

万代 出られない時は正直、自分が成長しているのかわからなかったんですけど、去年の国体(の優勝)が自分の中でキーポイントになりました。そこで勝つ経験を得られ、今までやってきたことにさらに自信を持ってリーグに入れたのかなと思います。

-セッター栄絵里香選手や、先輩たちの存在も大きかったですか

万代 去年辞められた先輩(井上美咲ら)もそうなんですけど、声をかけてもらう機会が多くて。試合に入れない昨シーズンも、先輩方に「頑張れよ」とか「ここ頑張んなきゃいけないぞ」とかいろいろ声をかけてもらったりしました。今年に入ってからも、絵里香さんとか(主将の大竹)里歩さんに、「副キャプテンとしてどうするのか」「セッターとしてどうするべきか」とか、主に気持ちとか言葉がけについても結構教えてもらって、それを元に今やっていますね。

-技術面で成長を感じるのはどんなところですか

万代 Aパスが返った時はいいんですけど、動きながらのトスやラリー中のトスが課題なので、プレー中もそうなんですけど練習中に絵里香さんがどうやって(トスを)上げているかとかを聞きます。練習後には、「こうやってやったけどできなかったです」って聞くと、絵里香さんは「私だったらこうするし、もっとこうした方がいいんじゃない」って教えてくれるので、すごくありがたいですね。

-北窓選手は、高卒ルーキーながらレギュラーラウンドでは計32セットに出場しました。1年目のシーズン、ここまでを振り返ってどうですか

北窓 リリーフサーバーで入ることが多いんですけど、やっぱり最初の方は緊張もあったし、ミスとかも多くて自分の中ではすごく悔しかったんですけど、ファイナルまで来たっていうことで、やっぱり少しでも自分のサーブで崩して、ちょっとでもチームの勝ちに貢献できるようにっていう気持ちで今、頑張っています。

-2月3日の日立戦では、セットカウント0-2と後がない状況で迎えた第3セット開始から登場。8得点を挙げる活躍で逆転勝ちに導きました

北窓 久光に入ってからは、どちらかというとトルコとの親善試合とか、アジアクラブ選手権とか、海外のチームと戦う経験の方が多くて、日本のチームとあまり対戦してなかったから、難しかったんですけど…。勝ててよかったです(笑い)。

-高校卒業後すぐにVリーグに入って、ギャップはなかったですか

北窓 私、高校の時ミドルとかしてたんで、レフトとかしたことがなかった。めっちゃ、難しかったんです。課題だらけなので、もっと活躍できるように頑張りたいです。

-そんな北窓選手ですが、万代選手から見てどうですか

万代 自分もそうなんですけど、失敗を恐れずにどんどんやってほしいなって。できなくて当たり前だし、うまくいかなくて当たり前なので、絢音にもちっちゃくならないでほしい。「伸びしろしかない」って開き直るぐらいで思い切ってやってもらいたいです。こうやって明るい子なので、「やばいです~」とか言ってきても「大丈夫、大丈夫」って言っています(笑い)。一緒に頑張っていけたらと思ってます。

-選手としてはどんなところが魅力ですか

万代 器用ですよね。なんでもできるから、こっちも求めすぎちゃう時もあります。ディグ(サーブレシーブ以外のレシーブ)も頑張ってるんですけど、できちゃうから「もっといけるじゃん?」みたいな感じで「パスもうちょっと返して」とか言っちゃう時もあるんで。もっとやりやすいように自分が引っ張っていかないといけないし、絢音にもどんどん「こうしたい」「ああしたい」って意思を伝えてもらった方が、絢音自身にもチームにもプラスになるんじゃないかなと思います。

-期待の表れですね

万代 本当にすごいなって思うのは、ぽんって出されて、誰だって緊張するんですけど、そこで地に足をつけてやっている。いい意味で絢音ワールドがあるから、「もう、自由にやってくれ」みたいな、「いいよいいよ」みたいな。かわいいなとしか思わない(笑い)。

-どんなところにワールドを感じますか

万代 「なんか~」って話しかけてきたりとか、「まなみさ~ん」とか「知りませ~ん」とか、全てがかわいい。かわいいって最強じゃないですか。何してもかわいい。できてもできなくてもかわいいみたいな、そういう感じですね。

-北窓選手にとって、万代選手はどんな先輩ですか

北窓 お姉さん。「赤ちゃん」とかいじってくるんですけど、コートの中ではすごく頼ってしまう。なんて言ったらいいんですかね?

万代 頼れる存在?

北窓 そうそう。

万代 言わせちゃった(笑い)。

(インタビュー<2>につづく)

 

◆万代真奈美(まんだい・まなみ)1998年(平10)5月17日、島根県松江市生まれ。小3で競技を開始。岡山・就実中から就実高に進み、3時には春高バレー準優勝。筑波大では1年時の全日本インカレで準優勝、2、3年時にV。3年連続でセッター賞を受賞し、4年時にはユニバーシアード代表主将を務めた。21年に久光に入団。身長168センチのセッター。

 

◆北窓絢音(きたまど・あやね)2004年(平16)7月6日、島根県松江市生まれ。姉の影響により小1で競技を開始。山口・誠英高3年時の春高バレーでは準優勝に貢献。23年に久光に入団し、同4月のアジアクラブ選手権でデビュー。7月のVサマーリーグ西部大会では主力として活躍し、フレッシュスター賞を受賞した。身長183センチのアウトサイドヒッター。