12年ロンドン五輪(オリンピック)競泳男子200メートル背泳ぎと400メートルメドレーリレーで銀メダル、100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得した入江陵介(34=イトマン東進)が3日、現役引退を発表した。

都内のホテルで行われた引退会見では、のし紙に「感謝 入江陵介」と記された紅白まんじゅうが参加者に贈られた。選定には入江のこだわりがあったといい「引退会見は水泳の区切り、卒業式のイメージがあった。『紅白まんじゅうがいいんじゃないか』という話をさせていただいた。最近、紅白まんじゅうって(卒業式で)もう配っていないんですね。僕の時はもらっていました。今日来てくださる方々は、僕より年齢が上の方が多いと思ったので、懐かしい雰囲気もあるんじゃないかなと思いました」と笑わせた。

1月で34歳となり、長く第一線で競泳界をけん引してきた。自身のキャリアを振り返り「金メダルを取れなかったのは、すごく悔しく思っています。金メダリストというのをずっと目指してきたので、それがかなわなかったのは悔しい。ただ、ここまで長く続けられたことによって、本当にたくさんの選手、スタッフ、仲間と出会うことができた。それは財産と思っていて、水泳から得た物は勝負だけでなく、人とのつながりかなと感じています」と思いを込めた。【松本航】

◆入江陵介(いりえ・りょうすけ)1990年(平2)1月24日、大阪市天王寺区生まれ。近大付高-近大。08年北京五輪は200メートル5位。09年世界選手権で100メートル4位、200メートル銀メダル。11年世界選手権、12年ロンドン五輪は100メートル銅、200メートル銀。男子400メートルメドレーリレーはロンドン五輪銀メダル、13年世界選手権で銅メダル。自己ベストの100メートル52秒24、200メートルの1分52秒51は日本記録。16年リオデジャネイロ、21年東京五輪にも出場。趣味はスポーツ観戦、音楽鑑賞、ピアノ演奏。178センチ、64キロ。