7月26日のパリ・オリンピック(五輪)開幕まで、6日で50日前となった。各競技で続々と代表内定選手が発表される中、注目を集めるのが団体球技だ。日本は全7競技で出場権を獲得。自国開催を除けば1932年ロサンゼルス五輪以来、92年ぶりの快挙となる。現時点で五輪切符を得た各競技の注目選手を紹介するとともに、全ての団体球技出場につながった背景をひもとく。
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3大会連続10回目・水球男子 棚村克行(34=ブルボンKZ)
パリ五輪を戦う最中の8月3日に、35歳を迎える。「リオ前から“水球のひげの人”と言ってもらえているので(伸ばし)続けます」。16年リオデジャネイロ五輪から3大会連続出場。守護神は頼もしい存在だ。
GKは26歳の西村永遠(イカイKingfisher74)が台頭。それでも「勝負どころは自分」とプライドを持つ。体重は21年東京五輪から5キロ増。時に1日6食を胃袋に入れて「出せる力の分母を大きくする」と誓った。大柄な世界と戦うための準備だった。
22年世界選手権では過去最高の9位と躍進。昨年のアジア大会では53年ぶりの優勝で五輪切符をつかむなど、着実に自信をつけてきた。海外の武者修行で欧州の強みを知った選手たちの引き出しが、日本の不変の武器であるスピードに加わった。棚村も「今は選手、水球界ともに、メダルを狙う意識に変わっている」と進化を実感している。
代表最年少は京都・鳥羽高3年の井上皆で17歳。一回り以上も離れた後輩が増え「プールでは怖いですけれど、上がったら上下関係はない。若い子たちが萎縮しないようにしています」とほほ笑む。目指すは8強。大舞台で必要な経験が、この男にはある。【松本航】
◆棚村克行(たなむら・かつゆき)1989年(平元)8月3日、沖縄・石垣市生まれ。東京で育ち、兄の影響で中学から競技を始める。明大中野高、筑波大を経て、新潟・柏崎市が拠点のブルボンKZ。リオ大会での32年ぶり五輪切符に貢献。183センチ、86キロ。
<展望>3連覇が懸かるセルビア、22年から順に世界選手権を制したスペイン、ハンガリー、クロアチアなど欧州勢の強さが際立つ。日本はセルビア、ハンガリー、スペインなどと同じ1次リーグB組に入っており、同組の6チーム中4チームが進む8強を目指す。


