テニスの全米オープン車いすの部で初優勝を飾った小田凱人(ときと、19=東海理化)が、力強い言葉で自らの思いを伝えた。
9日、開催地ニューヨークから羽田空港に帰国。都内で4大大会とパラリンピックを全制覇する「生涯ゴールデンスラム」を祝う記者会見に臨んだ。
発した主な言葉は以下の通り。
◆いろいろなテニスクラブに車いすをプレゼントしたい。学校とかに賞金を全部つぎこんででも、やりたいと思っているぐらい。いつか小学校の1輪車の横に、車いすが並んでほしい。ここから何年かかけて、10年ぐらいかかるかもしれないですが、これからのスタンダードを作っていきたい。そうすると、もっと強い人も出てくるかもしれない。僕ももっと燃えてくるかもしれない。いろいろな世界が広がる気しかしていない。「無理じゃない?」ということばかり想像しちゃいますが、まだキャリアは始まったばかり。これからの長い時間をかけて、楽しみたい。
◆テニスプレーヤーだけど、1人のゲームチェンジャーでありたい。何かを変える人。“めっちゃ勝った人”より、“めっちゃ何かを変えた人”でありたい。引退した時とか、30~40年後。今の「生涯ゴールデンスラム」とか、パラリンピックの金メダルとか、僕が生きているうちに評価してもらいたいとかは一切ない。僕が死んでから、引退してから、どれだけ評価してもらえるかが見せどころ。
◆「かっこいいと思われたい」は一切ない。ただ、僕は僕が一番かっこいい。そういうスタンスは、今の小中学生に伝えたい。「評価されたい」というのはあんまりなくて、自分がいいと思ったらいい。称賛されても、批判されても、どっちでも。自分がやっていることに対して「う~ん」と迷いがないのが、一番大事。そこに妥協を絶対にしたくない。
◆後から試合のことをすごそうに言うのは、かっこいいと思わない。パラリンピックの後もいろいろなものに出ず、結構控えめにしていた。僕的には「先に思っているなら、言うでしょう」というのがある。だから記録とか、いろいろなことに対して先に宣言してきたつもり。後付けは、僕的には誰でも言えると思う。僕は先に思いは全て伝えて、試合に挑んだ。振り返ることは、特に、僕にとってはないかなと思う。
◆やっぱり子どもに響く、刺さる選手でありたい。僕が若いからっていうのが一番の理由ですが。大人に嫌な顔をされて、子どもからめっちゃ光った目で見られる人になりたい。いろいろ変えていく人って、そういう人。そうなりたいと思う。
◆(子どもたちへ)一番は自分で何でも決められる。いいふうにも転がせられるし、僕も悪い方に落ちようとすれば、落ちちゃう瞬間も数え切れないぐらいあった。そういう経験があると、試合をしていても怖くならない。1歩踏み出すっていうのが一番難しいし、一番大事。まずやってみる。
◆世界を変えたいですね。むちゃくちゃ変えたい。勝ちたい、よりも、変えたい。僕がまだキャリアが長いから、満足できない。結果がいくら出ても、この現状だと歯がゆい。日本ではいろいろな人に覚えてもらっても、ヨーロッパ、アメリカに行って、誰も見てくれない。やっぱりまだまだだなと思うし、テニスだとヨーロッパは盛り上がりがすごい。もっと海外のテニスファンに覚えてもらいたい。ビッグになりたい。
◆今後は車いすテニスの小田凱人としてもそうだし、1人の若者として、若い人たちを盛り上げて、ジャンルを問わず、いろいろな人に見てもらえるような選手になりたい。まだ19(歳)なので、結果は出ているけれど、自分の中で1位という感覚はない。5位ぐらいの感じ。自分にとっての「1位だな」と思えるまで、もっともっと頑張るんで、これからも応援よろしくお願いします。


