23年世界選手権代表の山本草太(25=MIXI)が、ケガからの再起へ確かな手応えを得た。20日のショートプログラム(SP)に続き、フリーもトップの169・72点で合計246・80点。ミラノ・コルティナ五輪代表1次選考会を兼ねるブロック大会を制し、「体力が保つか心配だったけど、ギリギリ保ってよかった」と一息ついた。

今月上旬のチャレンジャーシリーズ(CS)木下グループ杯の1週間前に腰を負傷。強行出場して総合4位に終わった同大会後は、約1週間治療に専念した。痛みも癒え、リンクに乗ったのは今大会を迎える3日前。「今は徐々にやれることを増やしている段階」と、この日は4回転は単発のトーループ1本と構成を落として臨んだが、「できる範囲のことはやれた。ほぼ治っている」と状態に手応えはある。早期の完全復活へ、「(元の状態に)戻します」と言葉に力を込めた。

夢の舞台を目指す今季。フリーに選んだのはローリー・ニコル氏振り付けの「ハレルヤ」だった。信仰の心を歌った楽曲。YouTubeやインターネットの検索で和訳を勉強し、自分なりの解釈で演技に落とし込んできた。好きな箇所は、後半の「人生はいいことばかりじゃない」という部分。ケガに苦しんできた自分自身を重ね合わせ、「苦しいことも含めてスケート人生。そういった自分の魂を感じてもらえるような表現が理想です」と思い描いた。

10月上旬にチャレンジャーシリーズ(CS)1戦に出場し、同24日にグランプリ(GP)シリーズ中国杯(重慶)に挑む。「いい時もあるけど悪い時もある。それを含めて楽しい。また期待して待っていていただけたら」。山本が、慎重に、着実に歩みを進めていく。【勝部晃多】