<卓球:全日本選手権>◇第5日◇16日◇東京体育館◇女子シングルス

 中大1年の山本怜(19)が、5回戦で浜本由惟(16=JOCエリートアカデミー)に勝ち、初の16強入りを果たした。

 耐えて、耐えて、耐えまくった。3ゲーム連続で落としてからの巻き返し。第6ゲームも8-10の崖っぷちから、はい上がって逆転。フルゲームを制し「切り替えて思い切りできたのが良かった」と、笑顔を見せた。前日15日の4回戦で昨年準優勝の森さくら(18=昇陽高)を破る殊勲の星を挙げ、初めてシード選手を突破した。6回戦では石垣優香(25=日本生命)に2-4で敗れたが、新ヒロイン候補となる躍進を見せた。

 新潟県阿賀野市生まれの色白美女で、青森山田中に卓球留学して基礎を築いた。青森山田高3年時の高校総体ではダブルスで優勝。昨夏の関東学生新人大会も制し、冬には加藤美優らと出場したフィンランドオープンでシングルス4強など素質が開花し始めている。攻撃的なプレーの一方、私生活は「人混みは苦手なので…。趣味は寝ることです。昼寝で5時間とか…。夜に寝られなくなっちゃう時もあるんです」とおっとり系。東京・八王子市の寮でほとんどを過ごし、大学生活約8カ月で出掛けたのは「新宿に何回か行ったくらい」。大学では国文学を専攻し、古典を愛する「いとおかしき」女性だ。

 今大会を振り返り「目標だったランク入り(16強)できたことはうれしいですが、ミスで自滅もあったし、もっと勝ちたかった。点数は60点。もっと体力もつけて、まずは大学生の中で優勝。それから日本代表も目指したい」と厳しく自己評価した。「大学生でも(実力的に)変われるところも見せたい」と遅咲きのヒロインへの意欲も見せた。