<女子バスケットボール:ロンドン五輪世界最終予選:日本79-51韓国>◇敗者復活トーナメント◇6月30日◇トルコ・アンカラ

 世界ランク15位の日本が2大会ぶりの五輪出場に王手をかけた。敗者復活戦トーナメント準決勝で、過去7勝32敗と相性の悪かった同9位の韓国と対戦。主将の大神雄子(29=JX)を中心に積極的な攻撃で終始圧倒し、大勝した。前日の五輪代表決定戦でチェコに敗れ、五輪出場に黄信号がともったが、8年ぶりの韓国戦勝利で再び五輪切符を引き寄せた。今日1日(日本時間2日)に、アルゼンチン-カナダの勝者との決勝戦に勝てば、8年ぶりの夢舞台に立てる。

 アジアのライバルを相手に、日本が最高の立ち上がりをみせた。吉田、大神のドリブル、間宮の力強いゴール下のプレー。試合開始から面白いようにシュートが決まり続けた。2分過ぎからは21連続得点。韓国は焦ってシュートを外し、ファウルを重ねた。第1クオーター(Q)を終わって29-4。以降も順調にリードを広げた。

 同じ過ちを繰り返すわけにはいかなかった。昨年8月、日本の長崎で開催された五輪アジア地区予選を兼ねたアジア選手権。1次リーグで韓国と対戦し、第1Qで14点のリードを奪いながら、59-66の逆転負けを喫した。母国開催の有利さを生かせずに、優勝国に与えられる五輪出場権を逃していた。

 今大会は29日の代表決定戦で世界ランク4位のチェコに47-53で惜敗したが、同時に自信もつかんだ。11年世界選手権で準優勝し、五輪本番のメダルも視野にする強豪に、第1Qで13点差をつけられながら、後半は走力で追い上げた。最終第4Qには3点差にまで追い詰めた。敗れはしたが、練習を重ねてきた速攻、粘り強い守備に、選手は手応えを得た。

 チェコ戦後、守備で貢献した大神は「ディフェンスをするのは当たり前。点を取るのは課題です。なんとかチームに貢献したい」と気を引き締めていた。その言葉どおり、頼れる主将は前半だけで18得点の大暴れ。大神を中心に最後まで勢いを止めることなく、28点差をつけて大勝につなげた。

 過去7勝32敗と圧倒されていた韓国から8年ぶりの勝利。執念をみせた日本は、あと1勝で2大会ぶりの五輪切符をつかめる。今日1日(日本時間2日午前0時開始)に決戦の火ぶたが切られる。

 ◆ロンドンへの道

 世界最終予選の出場12チーム中5チームに出場権が与えられる。予選ラウンドの準々決勝に進出したトルコ、クロアチア、チェコ、フランスの4チームは出場権を獲得。チェコに敗れた日本、韓国、アルゼンチン、カナダの敗者4チームが残り1枠の五輪出場権を懸け、トーナメントで争う。日本は韓国に負ければ、その時点で五輪出場は消滅だったが、勝ったことで、1日にアルゼンチン-カナダの勝者に勝てば、2大会ぶりの五輪出場が決まる。