来年1月19日開幕のテニスの4大大会初戦、全豪オープン(メルボルン)の地上波の放送権をNHKが獲得したことが11日、分かった。錦織圭(24=日清食品)らの試合放送をめぐり、約5億円ともいわれる放送権の争奪戦がテレビ各局で繰り広げられていた。

 過去、決勝など試合を限定して放送してきたNHKが、大会2週間をすべてカバーするのは初めて。関係者は「錦織選手ら注目選手だけでなく、大会全体をきちんと放送する姿勢が評価されたのだと思う」と話し、錦織の試合は生放送になるとみられる。衛星波では92年から放送を続けるWOWOWが放送する。

 テニスの地上波放送に各局は二の足を踏んできた。4大大会の5セット試合となると試合時間が1時間半から5時間弱と読めないなど、高い放送権料は割に合わないとされてきた。しかし、錦織が準優勝した全米を独占生放送したWOWOWは、91年の開局以来の過去最高加入者を記録。NHKにも「なぜ地上波で放送しないのか」という問い合わせが、寄せられたという。

 全豪は全米と同じハードコートで、錦織が12年に自身初の4大大会8強入りを果たした縁起のいい大会だけに、日本人初の4大大会シングルス優勝の瞬間が、全国のお茶の間に届くかもしれない。NHK広報局は「現在、NHKが放送する方向で主催者であるオーストラリア協会と交渉中です。それ以上については現段階では申し上げられません」としている。