15年ラグビーW杯イングランド大会で日本を率いた現イングランドヘッドコーチ(HC)のエディー・ジョーンズ氏(59)が19日、札幌市内で会見し、日本に対し「ひいき目で応援したいと思う」と語った。チームの仕上がりも最高の出来と何度もアピール。前回大会は1次リーグで敗退したが、慣れ親しんだ日本で地の利を生かし、4大会ぶり2度目の優勝を目指す。

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日本代表HC時代にも訪れた北海道で、ラグビー母国復権への大事な1歩を踏み出す。22日、札幌ドームでトンガと対戦する。ジョーンズHCは「非常に大事な試合になる。選手全員がやるべきことをやらなければならない」と厳しい表情で言った。

「個人的には帰ってきたという印象」と、日本でのW杯に好感触を得ている。大会運営について聞かれ「ファーストクラスの準備だ。マネジメント、スタジアムなど、すばらしい。ワクワクしている」と、ラグビー先進国ではない日本でのW杯を称賛した。

この日は札幌ドームのピッチを入念にチェック。インゴールの幅が短いのが特徴で「5メートルに適応しないといけない」と注意を払う。一方で「エキサイティングなスタジアムだ。(22日は)4万5000人が来るとのことで楽しみ。ここで試合ができることはうれしい」と話した。

北海道の印象については「いつも楽しかった。おいしい食べ物、良い人に囲まれていた」と話し、かつて訪れた経験が「アドバンテージになると思っている」と地の利を感じている。

屈強なフィジカルを前面に出して来るとみられるトンガに対し「とにかく『かかってこい』だ。我々はイングランドですから」とラグビー発祥のプライドをのぞかせた。

今大会の日本について「トンガ戦に集中したい」と多くは語らなかったが「ひいき目で応援したいと思う」と優しく言った。4年前、誰もが予想しなかった日本の南アフリカ戦勝利を実現した名将は、第2の故郷へ錦を飾る。【三須一紀】

◆エディー・ジョーンズ 1960年1月30日、オーストラリア・タスマニア州生まれ。スーパーラグビーのブランビーズを率い、10年優勝。オーストラリア代表監督として03年W杯準優勝。07年大会は南アフリカのアドバイザーとして優勝に貢献。12年に日本代表ヘッドコーチとなり、15年大会で歴史的3勝。同11月からイングランド代表監督。妻は日本人。現役時代はフッカーで代表歴はない。