ダイヤモンドを駆ける姿に観客の視線はくぎ付けになる。日米大学野球選手権の2連覇を目指す日本代表チームで、早大の斎藤佑とともに注目されるのが、171センチ、115キロの体格で存在感抜群の中田亮二(亜大)だ。

 9日に行われた新日本石油ENEOSとの練習試合は3安打と気を吐いた。圧巻だったのは4回。鋭いスイングで右中間を真っ二つに破ると、50メートル6秒4の走力を生かして一気に三塁へ到達した。1回には二盗も成功。「自分はこういう体形をしているから相手はノーマーク。どんどん走っていく」と日本が掲げる機動力野球を実践した。

 22人の代表メンバーの中で、米国開催で初優勝した一昨年の前回大会を経験しているのは中田と斎藤佑のみ。昨夏にチェコで開かれた世界大学選手権では全8試合で4番を務めた。「僕は一番経験している立場。みんなを引っ張る意識はある」とリーダーとしての自覚も十分だ。

 「おかわり君」こと西武中村よりも13キロ重い中田の愛称は「ぶーちゃん」。3番での起用を明言する榎本監督は「彼はうちの主軸。経験があるし、体重からは考えられないスピードもある」と全幅の信頼を寄せている。