<東都大学野球1、2部入れ替え戦:国学院大5-2日大>◇最終日◇10日◇神宮

 国学院大(2部1位)が5-2で日大(1部6位)に連勝し、3季ぶりの1部復帰を決めた。2-2で迎えた延長11回2死一、二塁から代打原田朋和内野手(1年=修徳)が2点三塁打。さらに1点を加えて、連投の2番手高橋広志投手(4年=山本学園)がこのリードを守って逃げ切った。

 国学院大の1部復帰を決めたのは1年生だった。延長11回2死一、二塁。ここで代打原田が右中間を破る三塁打を放った。原田は「4年生にかわいがってもらったのに、今まで何もできなかった。使ってくれた監督にも感謝したい」といって喜んだ。

 左手首を痛めリーグ戦では2打席しか打席に立てなかった。そんな悔しい思いをぶつけた。竹田利秋監督(67)は「ケガが治ったんで、チャンスがきたら使おうと思っていた。選手を鍛えてくれた4年生のおかげですよ」と話した。

 春のリーグ戦は2部最下位で、3部(大正大)との入れ替え戦を行ったチームだった。練習はメニューも含めすべて竹内達彦主将(4年=金光大阪)ら4年生に任せた。「私はバットを振れというだけ」。自主性が生まれ、最下位から優勝をつかんだ。

 かつて東北、仙台育英を27度も甲子園に導いた名将がこう振り返った。「大学は4年生中心のチーム。高校のように監督の力じゃない。このチームは失敗しても落ち込まない前向きな子が多いです」。国学院大が生まれ変わって戦国東都の1部に戻る。【米谷輝昭】