<オープン戦:富士重工3-2早大>◇30日◇太田市運動公園

 早大・斎藤佑樹投手(3年=早実)が、故郷の群馬・太田市で凱旋(がいせん)登板した。社会人の強豪、富士重工とのオープン戦に先発。内野席を6000人(主催者発表)の観客が沸いた。1球ごと、歓声に包まれながらの77球。最速142キロ、5回9安打3失点に「制球が良くなかった。50点」としながらも「本当に、こんなにたくさん入ってくれた。故郷に帰って登板できたのはうれしい」と観客に感謝した。

 詰まった当たりが野手の間に落ちる不運もあったが、2回までに6安打を浴びた。しかし、試合中に悪い点を修正できるのが、現役最多の25勝ならではの投球術。右腕の角度を上げると、直球が切れを取り戻した。3回以降は散発3安打。地元テレビ局がゴールデンタイムで中継する中、先日の社会人東京大会で優勝した強豪に向かっていった。

 相手先発の阿部次男投手(37=利根商)とは因縁があった。父寿孝さん(61)が富士重工に勤めていた縁もあり、生品中時代にキャッチボールで制球のつけ方を教えてもらった。あこがれの投手との投げ合いに「スピードがなくても低めを丁寧につけば抑えられると勉強になった。目標です」と刺激を受けた。

 リーグ開幕は4月10日。エース兼主将は「打たれてちょうどいい勉強になった」と話す余裕がある。地元での学習を、神宮で生かす。【斎藤直樹】